タイトルにある通り、世紀末芸術についての本。 以下、内容のまとめ。 序章 世紀末芸術とは何か 1転換期の芸術 19世紀末は、19世紀と20世紀に挟まれて美術史の盲点になっている時代*1。この二つの時代を繋いだとされると転載として、セザンヌ、ゴーガン、ゴッホ、スーラがいるが、この4人は1900年には既に死去しているかパリを離れている。 1894年、「自由美学」という展覧会がブリュッセルで開かれている。ここでは、絵画、彫刻、工芸、版画、デザイン、ポスター等の様々なジャンルの作品が並べられ、さらにドビュッシーの曲が流されていた。19世紀は芸術の分業化が進んだが、世紀末になり一人の芸術家が自分の「専門」以外の様々なジャンルに手を出すようになった。また、国境の枠も越えるようになった。同じような芸術運動が、同時多発的にヨーロッパの各都市で起きた。 本書では世紀末芸術を「最後の印象派グループ展がパリに開
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