「24年前に別れた妻子に会いたい」と、岡山市内で自転車を盗んだとして、奈良県警奈良署は18日、自称住所不定、無職、松原正平容疑者(75)を窃盗容疑で逮捕した。同署によると、松原容疑者は野宿をしながら4日間かけて200キロ以上離れた奈良県大和郡山市の旧住所へ自転車でたどり着いたが、「住んでいたのは別人で、妻子の行方は『知らない』と言われがっかりした」と話しているという。 逮捕容疑は、今月13日午前7時から午後7時ごろまでの間、岡山市北区のマンション駐輪場で、大学3年生(20)が所有する無施錠の自転車(時価4000円相当)を盗んだ疑い。 松原容疑者は17日午後10時ごろ、奈良市のJR奈良駅前交番に自首。所持金は120円。かばんに着替えや洗面用具などが入っていた。動機について「75歳になったのでいつ死ぬか分からない。最後に長男、長女に会いたかった」と話しているという。【松本博子】