試合前には凱旋した五輪代表組のセレモニーが行なわれたが、足元はデコボコ。このピッチでは、グラウンダーのパスで組み立てるサッカーは不可能だろう。 草サッカーじゃないんだから――。 録画しておいた映像を観て、思わず声を漏らしてしまった。8月18日に行われたJリーグ第22節、FC東京対大宮アルディージャ。テレビ画面に映る味の素スタジアムのピッチは、もはや芝と呼べるような代物ではなかった。色で表現するなら、「緑」ではなく「黒」。しかも変色しているのは、ピッチの一部分だけではない。 GKが体を投げ出し、選手が密集する中でクロスプレーが頻発するゴール前なら想像も及ぶ。あるいは、副審が同じ場所を何度も往復するタッチライン際が変色している光景もよく見かける。しかし味スタのピッチは、芝が傷んでところどころが剥げているのではなく、ピッチ全体の芝が満遍なく剥げている。全体が黒く変色して見えるのは、おそらく肥料と