石油消費国の組織である国際エネルギー機関(IEA)は、エネルギー消費に補助金を出すコストが全世界で年間5500億ドルだと推定している(ほとんどが発展途上国)。他の条件がすべて同じだとすると、原油価格の下落はその金額を約4000億ドルまで減らすはずだ。 このことは、多くの国が選択を迫られることを意味する。この機会を捉えて補助金を廃止するか、それともコストが下がった甘い汁を配り続けるか、どちらかだ。どちらにしても、多くの国が恩恵を受ける。経済的な歪みに終止符を打つこと(ただし、消費者の反発を招くリスクがいくらかある)、あるいはしばらくの間財政コストを減らすことによる恩恵だ。 中東の石油輸入国の選択 この選択は、中東の石油輸入国で特に際立つ(図参照)。 2014年はエネルギー補助金のコストがエジプトでGDP比6.5%、ヨルダンで4.5%、モロッコとチュニジアで3~4%だった。原油価格が20%下落
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