北朝鮮が2月21日と3月4日に発射した、新型の300ミリ多連装自走ロケット砲(MRL)の「KN-09」に、米韓の軍事当局が一段と危機感を募らせている。北朝鮮軍がこの大口径の長距離砲による一斉放射で韓国軍や在韓米軍の心臓部に先手必勝の奇襲攻撃を仕掛けた場合に、現実的な迎撃策がないとみられているからだ。 KN-09については情報が乏しく、ロケット砲ではなく誘導システムを備えたミサイルではないか、との見方も軍事専門家の間にある。いずれにせよ、射程距離を伸ばし、命中精度や威力を増した北の新兵器が登場した。日本の防衛当局者も情報収集に追われている。 北朝鮮は2月21日と3月4日の両日、日本海に面する南東部の元山(ウォンサン)に近い葛麻(カルマ)半島の発射場から、北東の日本海の公海上に向け各日に4発、合計8発を発射した。 韓国国防省は155キロメートル程度飛行したとみている。また、KN-09を含めた、