ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (33)

  • イラン核合意離脱でわかる、トランプ政権の行動パターン

    トランプがコア支持者向けの政治ショーを演出したいだけなのは明らかで、米朝首脳会談を前に、これでは相手の思う壺> 5月8日にトランプ米大統領はテレビ会見を開き「イランとの核合意」から離脱すると発表しました。順序としては、前日にホワイトハウスから「8日にイランとの核合意に関する発表を大統領が行う」ことはアナウンスされていました。 ですが、各メディアのトーンは直前まで「まさか離脱はしないだろう」という姿勢であり、「せいぜいが期日を切って、あらためて見直す」というような発表になる、そんな観測も囁かれていたのです。しかし発表直前になって「やはり離脱らしい」という情報が流れ大騒ぎとなったのでした。 その発表ですが、トランプ大統領の演説としては典型的とは言え、非常に乱暴な内容でした。まず離脱の理由は、「この合意が最低のものだから」という選挙戦当時からの主張と寸分変わらないものだったのです。とにかく、イ

    イラン核合意離脱でわかる、トランプ政権の行動パターン
  • 財務省はスタバの危機管理に学べ!

    <人種偏見と言われて批判を浴びたスターバックだが、その後の対応で企業イメージを損なわずに済んだ> アメリカでスターバックスと言えば、一連のコーヒー・ブーム、カフェ・ブームの草分けであり、またチェーンのカフェとしては最大規模のネットワークを誇る企業です。同時に、「進歩派(プログレッシヴ)」な企業文化で知られ、またそれを誇りにしてきました。 店内での無料wi-fiサービスを始めたとか、労働条件を改善したというだけでなく、銃保有派に対して毅然とした態度で「銃を携行しての入店はお断り」という措置を発表した際には、銃規制派の喝采を浴びたのでした。そうした「進歩的な姿勢」がブランドイメージの維持に繋がり、ビジネスとしても良い循環を実現しているのです。 そのスターバックスに大変な不祥事が持ち上がりました。ペンシルベニア州フィラデルフィアの中心街にあるカフェで、2人の客が「待ち合わせなので友人が来てから注

    財務省はスタバの危機管理に学べ!
  • 米政界に衝撃、ライアン下院議長は中間選挙になぜ「出馬しない」?

    ライアン下院議長は中間選挙で再選を目指さない意思を明らかにした Aaron P. Bernstein-REUTERS <秋の中間選挙での共和党の敗北、その後のトランプ弾劾のプロセスを見据えたか、それとも2020年大統領選への布石なのか> アメリカ連邦下院議長は、議会の最高権力者であるばかりか、正副大統領が欠けた場合には、合衆国憲法によって自動的に大統領職を継承する地位でもあります。現任のポール・ライアン議長は、48歳という若さで既に2015年以来3年近く、この要職にありますし、その直前の2012年にはミット・ロムニー候補が現職のオバマ大統領に挑んだ大統領選の副大統領候補でもありました。 4月11日、そのライアン議長は11月の中間選挙には下院議員候補として出馬しないと発表、米政界に衝撃が走っています。理由としては「家族との時間を大事にしたい」と説明されています。また、トランプ政権という異常な

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    yamajii 2018/04/13
  • サンフランシスコ「従軍慰安婦像」への大阪市対応は慎重に

    大阪市サイドはサンフランシスコ市が拒否しなければ姉妹都市の関係を解消することも辞さない構えだが、日米関係への様々な悪影響を考慮すれば、政治問題化させない慎重さが必要> アメリカのサンフランシスコ市議会は14日、市民団体が市内私有地に建てた(その後、土地は市有地化)「従軍慰安婦像」の寄贈を受けるという議案を全会一致で可決しました。エドウィン・リー市長が10日以内に拒否権を発動しないと、像を含めた土地は市有化されることになります。ちなみに像というのは韓国で見られる「少女像」ではなく、3人の女性の立像です。 この事態を受けて、大阪市の吉村洋文市長は「サンフランシスコとの姉妹都市関係について解消も辞さない」という立場を表明しています。一方で、市議会は自民党や公明党を中心に慎重姿勢を取っているようです。この問題ですが、仮に姉妹都市関係が解消に向かう場合には、以下の3つの懸念を考慮すべきだと思います

    サンフランシスコ「従軍慰安婦像」への大阪市対応は慎重に
  • 小池都知事の「希望の党」、原発ゼロ政策への疑問

    <原発ゼロと排出ガス抑制を両立させるのは難しい。原発ゼロを公約にするならより大きなエネルギー政策の青写真が求められる> 小池百合子東京都知事が「希望の党」を立ち上げました。このコラムでお話ししたように、「消費税率引き上げには慎重」「9条3項改憲にも慎重」というのは、予想通りでしたが、やや意外だったのは「原発ゼロ」を明確に打ち出した点です。 もちろん、小池氏の政治的盟友である小泉純一郎氏との協議を経て決めたという経緯などから、政治的な流れは理解できるのですが、政権の行方に影響を与える総選挙において「原発ゼロ」政策を、そう簡単に出して良いものなのでしょうか。そこにはやはり懸念を感じます。 1つは「保守の立場での原発ゼロ」という問題です。ここまでの流れを見るのであれば、小泉氏の場合、政権から離れてから「使用済み核燃料を何万年も保管しなくてはいけない」ことを知って衝撃を受け、「今すぐ、原発ゼロを進

    小池都知事の「希望の党」、原発ゼロ政策への疑問
  • どこが違う? トランプ・ロシア疑惑とウォーターゲート

    格的な捜査が始まったトランプ政権のロシア疑惑。米メディアではウォーターゲート事件と比較されているが、事件そのものはロシア疑惑の方がはるかに深刻> 先週17日に米司法省が任命したムラー特別検察官は、トランプ政権の「ロシアゲート」に関して日々会見を開いて、捜査の進捗の説明をしています。大統領人は中東からバチカン、ブリュッセルなどの歴訪に出かけていますが、まるでメディアの批判を「かわして」いるかのようです。 そんな中で、各メディアは一斉に今回のロシア疑惑と、45年前のウォーターゲート事件との比較を始めています。多くのニュース専門局が若い世代に向けた「ウォーターゲート事件早わかり」のような特集を組んでいますし、CNNなどは事件の首謀者であり生き証人でもあるジョン・ディーン氏にトランプとニクソンの比較論を語らせたりもしています。 比較論と言っても、現時点ではそんなに深い論評は出てきていません。

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    yamajii 2017/05/24
  • 北朝鮮危機には「現状維持」以外の解がない

    北朝鮮側に核開発を放棄する意思がない以上、現状維持以外に落とし所はない。トランプ政権の平静さには、米中が主軸となって圧力をかけ続けるしかないという覚悟は感じられる> 北朝鮮は依然として、長距離弾道ミサイル(ICBM)の保有を誇示しつつ、新たな核実験の可能性を否定していません。これに対して、アメリカは2つの空母打撃群を北朝鮮の近海に派遣するとともに、ペンス副大統領が韓国、日など東アジア諸国を訪問して圧力をかけています。 一方で、中国の習近平政権は、言葉では米国と北朝鮮に自制を求め、両者の対立を批判していますが、その一方で中国国際航空の北京=平壌便の運航を停止し、北朝鮮への団体ツアーを中止するなど独自の制裁を行っているようです。この中国の動きは、フロリダでの米中会談を受けた行動として映ることから、政治的には米中連携を誇示する効果はありそうです。 そんな中で、米国のトランプ政権、メディア、世

    北朝鮮危機には「現状維持」以外の解がない
  • トランプはなぜメディアを敵視し、叩き続けるのか?

    <まるで選挙期間中のようにラリーで演説を行うトランプ。そこにはメディアを「敵」に仕立ててトランプ劇場を続けざるを得ない事情が> 先週以降、トランプ政権の周辺は大荒れになっています。マイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)が13日に辞任し、その後大統領自身が単独記者会見に臨んだものの、メディアとの確執がエスカレートするばかりの結果に終わりました。 先週末は「プレジデント・デイ」という国民の祝日で、多くの職場や学校は3連休になりました。そこで、というわけかどうかは分かりませんが、トランプ大統領はこの週末もフロリダ州の「マー・ラーゴ」リゾートで過ごしました。 この、週末ごとのフロリダ滞在は、移動の費用をはじめ、警備の費用もバカにならないようで、これまでの3回の合計が1000万ドル(約11億3000万円)という莫大な経費がかかっていることから大きな批判を浴びています。そんな中、今週は「大統

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    yamajii 2017/02/22
  • フリン補佐官失脚が意味する、トランプ政権の抱える脆さ

    <フリン辞任の背景には様々な憶測が流れているが、米メディアはこれをきっかけにトランプ政権の「ロシア・スキャンダル」を格的に追及する構えだ> トランプ政権のマイケル・フリン安全保障補佐官が週明けに辞任したニュースには、衝撃が走りました。基的には補佐官に就任する前の昨年12月にロシア大使に電話して経済制裁の解除問題について相談したという疑惑、そしてこの件に関してペンス副大統領にウソをついたのが理由だとされています。 ですがこの辞任劇、いろいろとよく分からない点があります。1つの問題は、これは政争なのかという疑問です。フリン氏の背後には、草の根のトランプ支持者がいる一方で、今回の失脚劇には、CIAやFBI、さらには民主・共和両党の「上院情報委員会」の存在がチラついているという見方があります。 さらに言えば、フリン氏が失脚する数時間前になっても「大統領はフリン氏に全幅の信頼を寄せている」と話し

    フリン補佐官失脚が意味する、トランプ政権の抱える脆さ
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    yamajii 2017/02/17
  • トランプの入国禁止令をめぐる違憲裁判は、この先どうなる?

    <入国禁止令の違憲論争は控訴審の判断を待つことに。事態は、トランプ政権が合衆国憲法を遵守しているかどうかという質的議論に発展する可能性も>(写真:入国禁止令にはマサチューセッツ州やニューヨーク州も違憲を主張した) 先月28日に突如発令されたトランプ大統領の入国禁止令は大変な波紋を呼んでいます。何しろ「イスラム圏の7カ国からの入国はビザがあっても90日間は停止」そして「難民受け入れは120日間停止」というのですから衝撃的で、早速反対運動が各地の空港で発生しています。 これに対して、一部の連邦判事からは「違憲であるから無効」という裁定が出されており、稿の時点では「入国禁止措置」は失効していて、ビザが有効であればこの7カ国(イラク、イラン、シリア、リビア、イエメン、スーダン、ソマリア)からの入国も可能になっています。 ですが、大統領とその周辺からのメッセージ発信は止まりません。「万が一何か(

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    yamajii 2017/02/08
  • トヨタと日本は「トランプ砲」に振り回されるな

    トヨタのメキシコ新工場建設に反対するトランプの「脅迫」は、パフォーマンスに過ぎない。企業だけでなく日政府や自治体までが振り回されるのは良くない>(写真:アメリカ市場でのトヨタの主力車種はプリウスだが) 大統領就任前にもかかわらず、トランプ氏は自動車産業の「空洞化阻止パフォーマンス」に必死になっています。まずターゲットになったのはフォード社で、メキシコ工場建設計画を批判されると、年明け早々の今月3日に、この工場の建設計画をキャンセルすると発表しました。その代わりにミシガンで新工場を建設するというのです。 フォードに続いて、トヨタとGMに対しても同様の圧力がかかっています。いずれも、メキシコに新工場を建設する計画を厳しく批判して「強行したら高い関税をかける」と、まるで脅迫するような内容です。 日では「トランプ砲」というような言い方で波紋が広がっていますが、冷静に考えてみれば、そもそもおか

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    yamajii 2017/01/10
  • トランプが暴言ツイートを再開させた「ハミルトン事件」

    <人気ミュージカル『ハミルトン』の出演キャストからおくられたペンス次期副大統領への「忠告」に反発したトランプが、しばらく控えていた暴言ツイートを再開>(写真:トランプとペンスの見解の「不一致」は選挙運動中にも見られた) ドナルド・トランプ次期大統領は、今月9日未明の勝利演説以来「暴言モード」の発言や「暴言ツイート」は自制していました。ですが、ここへ来てガマンできなくなったのか、再び「荒っぽいツイート」を始めました。 トランプが「暴言ツイート」の材料にしたのは、「ハミルトン事件」でした。今月18日金曜日に、ブロードウェイの大ヒットミュージカル『ハミルトン』をペンス次期副大統領が観劇した際の出来事です。 このミュージカルは、アメリカ合衆国の「建国の父(ファウンディング・ファーザーズ)」の一人であり、初代財務長官も務めたアレクサンダー・ハミルトンの伝記作品で、半年先まで売り切れという空前のヒット

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    yamajii 2016/11/24
  • 動き出したトランプ次期政権、「融和」か「独自色」か?

    トランプ次期政権の人事・政策策定は、保守主流派との融和とトランプ独自の人脈活用を織り交ぜ、かなりスピーディーに進行している。この段階で日の安倍首相が会談するのは、悪いタイミングではない>(写真:勝利宣言でプリーバス共和党全国委員長と肩を組むトランプ) ドナルド・トランプ政権への移行に向けて、次期政権チームが曲がりなりにも走り出しました。中身はともかく、スピード感は確かにあるようです。例えば、先週9日未明の歴史的勝利からわずか30数時間のうちに、トランプ次期大統領が現職のオバマ大統領を訪問し、政権引き継ぎの打ち合わせを開始。さらには、政策と人事について日々発信を始めているからです。 現時点での次期大統領の動きは大きく分けて「融和」、つまり選挙戦で叫び続けた極端なメッセージを打ち消し、常識的な内容にシフトするというものと、「独自色」、つまりコアな支持者の期待を裏切らないための強硬論を実行に

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    yamajii 2016/11/15
  • ライアンやマケインも敵に回し、ますます孤立するトランプ

    <ライアン下院議長やマケイン上院議員の予備選について前代未聞の「不支持」を表明したトランプ。共和党内まで敵に回す言動に、メディアからは末期的な見方が> 前回のコラムでもお伝えしたイスラム教徒の戦没米兵の遺族、カーン夫との確執に関しては、トランプはいくらでも謝罪のタイミングがあったはずですが、逆にカーン夫に対して怒りを募らせるばかりです。そんなトランプに対して、民主党だけでなく共和党の中からも批判が加速しています。 自分自身が帰還兵であるジョン・マケイン上院議員を筆頭に、ポール・ライアン下院議長なども「カーン氏へのリスペクト」と「トランプへの批判」を表明しています。また、副大統領候補のインディアナ州知事マイク・ペンスの場合は、さすがにコンビを組んでいるだけあってトランプの批判はしていませんが、カーン氏への尊敬を何度も口にしており、トランプの「火消し」役に回っている格好です。 選挙戦の初期

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    yamajii 2016/08/04
  • 常軌を逸したトランプ「ロシアハッキング」発言の背景

    ロシアに頼んで、ヒラリーが消去した個人メールを「ハッキングしてもらおう」と言い出したトランプ。メール流出事件に揺れる民主党を挑発する思惑もありそうだが、機密情報の関係者からは「前代未聞」と批判が噴出>(写真は全国遊説をスタートしたトランプ) 今週は、大統領選に向けた民主党大会が開催中で、すでにヒラリー・クリントンが「主要政党として史上初の女性候補」に指名されています。一方、先週の共和党大会で一足早く「指名受諾演説」を行ったドナルド・トランプは、全国遊説をスタートしました。 27日には、フロリダ州でメディア(番記者)を集めて記者会見を行ったのですが、早速とんでもない暴言が飛び出しました。それは「ロシアに頼んで、消去された3万件の電子メールをハッキングしてもらおう」、そして「その内容をもう一度FBIに捜査してもらう」というものです。 【参考記事】大荒れの民主党大会で会場を鎮めたミシェルのスピ

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    yamajii 2016/07/28
  • トランプの「暴言」は、正式候補になってますますエスカレート

    <共和党の正式な大統領選候補となったトランプだが、暴言はますますひどくなっている。NATOの集団的自衛権を否定したり、WTO加盟を抜けると言ってみたりと、外交的な悪影響がある発言は無視できない>(写真は先月のNATO演習に参加した英軍パラシュート部隊) 先週21日に党大会で「指名受諾演説」を行って、正式に大統領選における共和党の統一候補となったトランプですが、いよいよ選というこの段階になってもその「暴言」は止まりません。 トランプは選挙戦の初期から「イスラム教徒の入国禁止」とか「不法移民の強制送還」などと言い続けてきたわけですし、また日に関しては「貿易の不均衡を是正する」とか「駐留米軍の経費を100%負担しないなら撤退する」「米軍撤退の場合には核武装を認める」「TPPは撤廃」などとも言ってきました。 何が問題かというと、こうした「暴言」は比喩であったりファンタジーであったり、要するに非

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    yamajii 2016/07/28
  • アメリカがギュレン師をトルコに引き渡せない5つの理由

    <トルコのエルドアン政権は、クーデター未遂に関与したとしてアメリカに滞在中のイスラム教指導者ギュレン師の引き渡しを求めている。しかし確たる証拠も提示されない中で、アメリカがこの要求に応じることは考えにくく、結果としてトルコと欧米側の関係が悪化する可能性もある>(写真はペンシルベニア州の自宅で取材に応じるギュレン師〔2013年9月撮影〕) 先週末にトルコで発生した「クーデター未遂」事件に関して、トルコのエルドアン政権は、アメリカに亡命している宗教指導者ギュレン師の引き渡しを要求しています。同師が事件の黒幕だというのですが、これに対してアメリカのケリー国務長官は引き渡しを拒否する考えのようです。 その理由としては色々ありますが、5点議論してみたいと思います。 1点目は非常に基的な法律論です。ケリー長官によれば、犯罪行為に加担したという証拠がなければ、身柄の引き渡しはアメリカの国内法上許されな

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  • 銃乱射事件を政治問題化するトランプの苦境

    トランプ大学をめぐる詐欺訴訟で担当判事への差別発言を繰り返し、共和党内からも批判を浴びて追い込まれていたトランプ。今回の銃乱射事件を反撃のチャンスと見たのか、「イスラム系移民の停止」「銃規制反対」といったオバマ、ヒラリーへの対決姿勢を盛んにアピールしている> フロリダ州オーランドにあるゲイ向けナイトクラブ「パルス」で、週末12日の現地時間午前2時すぎに発生した銃撃事件では、49人の死亡者に加えて53人の負傷者が出ています。銃を使った乱射事件としては米国史上最悪の事件となりました。 ナイトクラブでは当時、「ラティーノ・ナイト」というイベントを開催中で、ヒスパニック系の人々が多く集まっていました。犠牲者にはプエルトリコ系の人が目立っているそうです。一夜明けた全米のLGBT(性的少数派)コミュニティには、衝撃と悲しみが走っています。 事件から一夜明けた13日には、ちょうどアップル社が「開発者会

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    yamajii 2016/06/15
  • ウーバーと提携したトヨタが持つ「危機感」

    <ウーバーが最終的に目指すのは自動運転車で提供する「相乗り」サービス。トヨタにはイノベーションに乗り遅れまいという危機感が感じられる。自動運転車は日ではまだ普及の見通しは立っていないが、消費者の不安感や抵抗感は実はイノベーションを生み出す源泉とも言える> 自動車の配車サービスをネットで提供する米ウーバー社とトヨタの提携が発表されました。当面は、ウーバー社の車両需要に対して、トヨタが特別なリース契約で車両を提供する提携になる模様ですが、今後の中長期的な研究開発に関する提携も示唆されています。 ウーバーに関しては、古典的なタクシーやハイヤーの業界を脅かしていることから、欧州では大きな論争になっていますし、アメリカでも特にニューヨークでは、タクシー業界を保護しようとする民主党のデブラシオ市政との間でトラブルを起こしています。 ですが、このウーバーという会社はネットを使って「タクシー業界の革命」

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  • 「パナマ文書」問題がアメリカでは大騒ぎにならない理由

    経済破綻で苦汁をなめたアイスランドでは首相の辞任を求める声が高まっている Stigtryggur Johannsson-REUTERS パナマの法律事務所モサック・フォンセカが作成した、膨大な機密文書の暴露、いわゆる「パナマ文書」問題では、アイスランドのグンラウグソン首相の辞任を求める声が高まっています。また、イギリスのキャメロン首相については、亡くなった父親がリストに含まれているという暴露があり、その他にもウクライナのポロシェンコ大統領や、サウジのサルマン国王などの名前も挙がっています。 また、中国の習近平主席の親族の名前や、ロシアのプーチン大統領の友人の名前も出ているそうです。またサッカーのスター選手である、アルゼンチンのリオネル・メッシ選手(FCバルセロナ)については親族の名前が出ているそうですし、そのサッカーに関してはFIFA(国際サッカー連盟)のスキャンダルに関係した暴露もあって

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