2011年10月21日18:14 カテゴリエネルギー 東電を破壊する「不良債務」 アゴラの記事について業界の方々から問い合わせをいただいたので、まとめてお答えしておこう。 竹森俊平氏(彼だけではないが)は、原発事故によって東電が負った賠償債務が金融機関のような現実の債務ではなく、規制に依存する変数だという事実を理解していない。4兆円とも8兆円ともいわれる東電の賠償債務は、現在の1mSv/年という線量基準によるもので、アリソン教授のいうように「月100mSv」を基準にすれば、放射性物質による人的被害はゼロなので、東電の賠償責任は避難費用と風評被害だけになるだろう。 除染の費用も、基準線量の変数である。JBpressにも書いたように、追加的に1mSv/年という基準を適用すると、除染の必要な面積は1万km2以上になり、最大500兆円の費用が必要になる。これに対して100mSv/年だと最大15兆円