ここにきてから、自分が自分でいることができるようになった――ザッポスの社員は口々にそう語る。私たちが取材に訪れた日は、2週間前にグループ替えがあったばかりで、社員たちが新たな手作りの飾り付け(=パーソナライズ)に取り組んでいた。 ザッポスでは自分のデスクだけでなく、チームの共有部分、会議室なども自由にデコレートできる。チームごとにテーマを決めて、楽しみながら競い合う。各チームエリアの入り口に作られたゲート、座席のネームプレート、天井から吊された風船や横断幕、ビニールテープなどはさながら学園祭の賑やかさだ。このオフィスでは遊びと仕事が同居している。 この根底にあるのが、「社員が本来の自分でいられるときに一番自分の力が発揮される」という考え方だ。「ちょっと変であること、突飛であること」をザッポスでは歓迎している。そのうえで、職場のほかの仲間たちと楽しく過ごせることを心がけていれば、誰とでも相乗