突然の外部環境の変化によって、それまで順調に業績を拡大してきた企業が、ある日突然、存亡の危機にさらされることがある。牛丼の吉野家でいうと、2003年末、米国でのBSE(牛海綿状脳症)感染牛確認を受けての米国産牛肉輸入停止措置がそれであった。 その日から、吉野家ではアルバイトを含めた2万人の社員による「全員創業」の日々がスタートした。倒産も噂されるなか、吉野家はどうやってその危機を乗り越えたのか。半年後に黒字回復を成し遂げた吉野家ホールディングス代表取締役社長 安部修仁氏の話を紹介しよう。 この記事は、2008年8月20~22日に東京ビッグサイトで開催された「ERM(エンタープライズ・リスク・マネジメント)2008」(日経BP社主催)において、「危機を乗り越える経営--リスク管理、コンプライアンス、連結経営と企業力の向上」と題された講演の中から、リスク管理に関連した話題を要約したもの