[東京 5日 ロイター] ユーロ消滅――。このような予測を少しでも口にすれば、「まさか」と一笑に付されるのが落ちだろう。しかし、その「まさか」が起こりがちなのが、歴史である。 大英帝国の最盛期だった19世紀に、パクス・ブリタニカの終焉や英ポンドを中心とする金本位制の崩壊を予測すれば、きっと多くの人が鼻で笑ったはずだ。米ドル中心の固定為替相場制を軸とするブレトン・ウッズ体制が確立された第2次世界大戦末期に、早々と金ドル交換停止(1971年のニクソン・ショック)を予測したところで、同じだったろう。 今や固定相場制に土地勘を持たない人のほうが圧倒的に多くなったが、世界の為替システムが全面的な変動相場制にシフトしていくなど、半世紀前ならば「まさか」の一言で片づけられていたはずだ。そう考えれば、もともとバラバラだった通貨を無理やりくっつけたユーロが崩壊するシナリオなど、「まさか」度が低いというものだ
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