【ジュネーブ=金子亨】世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は29日夜(日本時間30日朝)、緊急記者会見を開き、新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の感染拡大を受けて警戒レベルを「フェーズ4」から世界的大流行(パンデミック)の一歩手前を意味する「フェーズ5」に引き上げると発表した。 感染が確認されたり疑いがあるのは30日、メキシコや米国をはじめ34か国・地域に広がっており、大流行に向かう流れがいっそう強まったと判断、警戒レベルを上げて各国に対策強化を求めることにした。 チャン事務局長は「ウイルスは変異を起こしやすく、性質は予測がつかない」と述べ、今後、感染力や毒性が強まる可能性を警告。記者会見に同席したケイジ・フクダ事務局長補代理も、世界的大流行を認定する最高レベルの「フェーズ6」にいつ移行しても不思議でないとの見方を示した。 WHOは27日に警戒レベルを「フェーズ3」から