「音で撮る」と記録映像を撮影するカメラマンから聞いた事がある。例えばスピーチを撮影する際、ファインダーを見るのでなく、マイクで拾ったスピーチを聞き、文節が切れた所に合わせてパンやズームをするのだという。さらに音声トラックさえしっかり録ってあれば、映像は後から編集できるとも。 視覚情報は人の認知をねじ曲げることが出来る。見るという行為は、網膜に映る物理現象ではなく、脳で処理される心理現象でもあるからだ。認知のねじ曲げは錯視に見られる空間認知に留まらず、クレショフのモンタージュ実験に見られるように映像の解釈にまで及ぶ。適宜に編集された映像であれば、時間認知でさえもねじ曲げることは可能だろう。さらに時間的に連続した聴覚情報を載せれば、人はその映像を「リアルタイム」と認知するに違いない。 ニコマスダンスMADは正にこれである。さらに言えば、ダンスMADは音の連続性に依拠した疑似リアルタイム映像であ
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