生活保護の申請を却下した大分市の処分は違法として、永住資格を持つ中国籍の女性(79)=大分市=が却下処分の取り消しなどを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁の古賀寛裁判長は15日、「永住外国人らも生活保護法を準用した法的保護の対象だ」として却下処分を取り消した。原告側の逆転勝訴判決。 原告弁護団によると、現状では行政措置として実施されている外国人の生活保護を、法的保護の対象と認めた判決は初めて。 生活保護法は対象を日本国民と規定する一方、旧厚生省は昭和29年、外国人を同法に準じて扱うよう通知。平成2年、対象を永住外国人に限定するよう自治体に指示した。 判決理由で古賀裁判長はこうした経過や、国籍条項がある他の法律は改正されたが、生活保護法は通知による運用継続を理由に改正が見送られたことなどを挙げ「一定範囲の外国人が、生活保護を受給できる地位を法的に保護されている」と指摘した。