あなたが「アート」という言葉から思い浮かべるのはどんなイメージだろうか? ひと昔前であれば、絵画や彫刻といった古くからある美術品のかたちだったかもしれないが、おそらく現在では、思い浮かべる人の数だけ、アートの種類も多様であるはずだ。写真、工芸、インスタレーション、パフォーマンス……。時代が多様性への許容を求めるように、アートも多様に拡張していく。 そんな現在を踏まえ、金沢21世紀美術館で始まったのが『現在地:未来の地図を描くために』展だ。同館の15年の歩みを振り返りつつ、アートのいる現在地を示そうとする同展において、ひときわ異彩を放つのが高山明 / Port Bの『マクドナルドラジオ大学』だ。美術館内のオープンスペースには、あのマクドナルドそっくりのカフェスペースがあり、店員が商品を販売している。しかしそこで売られているのはハンバーガーやポテトではない。買えるのは、ヨーロッパにたどり着いた