切浜海水浴場近くの岩場でサザエやアワビを採取した女性(右)を聴取する海上保安官ら=豊岡市竹野町切浜(画像の一部を加工しています) 兵庫県北部の沿岸で今夏、サザエやアワビの密漁が多発している。地元の漁協が知事から免許を受けて共同漁業権を設定しており、漁業者以外が採取すると漁業法違反(漁業権侵害)となる。しかし京阪神などからの海水浴客を中心に「レジャー感覚」で密漁に手を染めるケースが後を絶たず、今年はすでに16人を摘発。密漁現場の実態を調べるため、海上保安官に密着した。(金海隆至) 8月上旬、日曜の午後。豊岡市の切浜(きりはま)海水浴場に近い岩場で、ウエットスーツの女性が素潜りを繰り返した後、浜辺に上がってきた。崖の上の県道から双眼鏡で動きを探っていた海上保安官が「網袋を持っている。何か取っています」と声を上げた。 それを合図に、私服姿の保安官5人が一斉に約200メートル離れた海水浴場へ向かっ