チーム(組織)のパフォーマンスは何で決まるか、という問題を、このところずっと考えている。 組織の業績はリーダーで決まる、というのが現在、世に広く受け入れられている言説である。言説というより、最も分かりやすい直感というべきかもしれない。ひいきのスポーツ・チームがリーグでこのところ連勝している。監督がかわったばかりだ。だから新しい監督が良いのだ。あるいは、隣国の巨大メーカーは、オーナー経営者が超優秀な人材を本社に集めて、近頃なかなか業績がいいらしい。かたや、昔から製品を買ってきた国内の巨大電機メーカーが、何年間もひどい不振にあえいでいる。ならば、これは経営者がわるいにちがいない・・ どんなに長期的な業績であれ短期的な戦績であれ、あるいは数十人のチームから十数万人の組織まで、すべてリーダーの性格や良し悪しだけで、決定的に決まる。これが世間に流布する受け取り方だ。この方法にはいくつかの利点がある。