レガシーを活用しながら新境地へトム・ホランドが主演をつとめる『スパイダーマン』シリーズの最新作は、思ってもみない展開の連続で観客を驚かせる、ファン感謝祭のようなフィルムに仕上がっています。内容に触れないよう説明するのは難しいのですが、今回はストーリーに関する言及はせずに書いてみようと思います。本作のあらすじは、宿敵ミステリオ(ジェイク・ギレンホール)によってスパイダーマンの正体は誰かを暴露されてしまったピーター・パーカー(トム・ホランド)が、世間の厳しい非難を浴びるところから始まります。ピーター本人だけではなく、恋人(ゼンデイヤ)や親友(ジェイコブ・バタロン)の日常生活にも悪い影響が及び、困った彼はドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)へ相談しに行きます。ドクター・ストレンジは、魔術を使って人びとの記憶から「スパイダーマンの正体は誰か」を消すことができると言うのですが……。
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