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  • 『土偶を読むを読む』縄文研究の最前線を伝える、肝の据わったまたとない反論本 - HONZ

    作者: 望月 昭秀,小久保拓也,山田 康弘,佐々木 由香,山科 哲,白鳥兄弟,松井 実,金子 昭彦,吉田 泰幸,菅 豊 出版社: 文学通信 発売日: 2023/4/28 今やあまりお目にかかれない書籍が出た。書は、2021年4月に出版された竹倉史人『土偶を読む』(晶文社)への反論である。それも、明確な事実と論拠に基づいて真っ向からメッタ斬りにする、恐ろしく肝の据わった一冊だ。 まず、当時の『土偶を読む』現象をおさらいしよう。同書は刊行直後からNHKを中心とする各メディアで注目を集め、SNSでも紹介記事や書評が大きくバズり、脚光を浴びた。人類学者が独自の見識から打ち立てた「土偶の正体は縄文人の用植物」説をイコノロジー(図像解釈学)で次々に解き明かしていくその内容は劇的かつ鮮やかで、養老孟司氏を始めとする著名人らの好評も後押しし、半年で六刷のベストセラーとなる。 極めつきは第43回サント

    『土偶を読むを読む』縄文研究の最前線を伝える、肝の据わったまたとない反論本 - HONZ
    yoko-hirom
    yoko-hirom 2023/06/21
    権威権力への批判挑戦にも二種類あって,平等解放を目指すのがリベラル。簒奪独占を欲するのは成り上がり。成り上がりは権威主義独裁主義の別勢力でしかない。自民党に挑戦する維新の会みたいなもの。
  • なぜ一見何の利益もない嫌がらせ行為を行う人間が存在するのか?──『悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか?』 - HONZ

    なぜ一見何の利益もない嫌がらせ行為を行う人間が存在するのか?──『悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか?』 最近、仕事中のほとんどの時間は何らかのゲーム配信(最近はLeague of Legends)を垂れ流していることが多い。人気のストリーマーは数千、数万といった視聴者を集める。そうすると、一人用ゲームではない対戦系ゲームを配信で行っている配信者は、少なからぬ「嫌がらせ」行為に遭遇するものだ。 たとえば、配信者がゲームのマッチングを開始したのにタイミングを合わせてマッチング開始し、配信者とマッチングしたらその試合で通常ありえないえないゲームプレイをして負けに導いたり、挑発行為を繰り返したり、Apexのようなバトロワなら配信を見て位置を把握し集中攻撃をかけたりが行われるのである。 そうした悪意あるプレイヤーが、なぜ、自分にとってたいして利益があるようにも思えない悪意

    なぜ一見何の利益もない嫌がらせ行為を行う人間が存在するのか?──『悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか?』 - HONZ
    yoko-hirom
    yoko-hirom 2023/01/26
    富や幸福がゼロサムだと妄想するとそうなる気がする。
  • 『ザ・パターン・シーカー──自閉症がいかに人類の発明を促したか』 if-and-then思考とハイパー・システマイザー - HONZ

    エジソンやビル・ゲイツもそうなのだという。あるいは、ピアニストのグレン・グールドや、バスケットボール選手のコービー・ブライアントも。彼らはみな「パターン・シーカー」、すなわちパターン探しの達人であると考えられる。そして、そのようなパターン・シーカーこそが人類の偉大な発明を導いてきたのだと書は主張する。 書の著者は、イギリスの著名な心理学者サイモン・バロン=コーエンである。彼が「パターン・シーカーこそが人類の偉大な発明を導いてきた」と言うとき、その意味するところはふたつある。ひとつは、上で述べたように、偉大な発明家の多くが卓越したパターン・シーカーであること。そしてもうひとつは、ヒトが身につけたパターン探しの能力こそが、ヒトの進化史において偉大な発明を導いてきたということである。 ならば、そのパターン・シーカーという特性はどのようなものだろうか。それは、簡単に言えば、一見しただけでは明ら

    『ザ・パターン・シーカー──自閉症がいかに人類の発明を促したか』 if-and-then思考とハイパー・システマイザー - HONZ
    yoko-hirom
    yoko-hirom 2022/12/20
    『パターンの観点から円周率を小数点以下22541桁まで空んじられる』 ディープラーニングで円周率から規則性を見出せる可能性が。
  • 友好的なのが何より大事 『ヒトは〈家畜化〉して進化した──私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』 - HONZ

    ヒトの進化において「協力的なコミュニケーション」が大きな鍵を握ったであろうことは、たびたび指摘されるところである。人がひとりでできることは限られている。単独で野生動物を狩ろうとしても、得られるのはせいぜいウサギくらいだろう。しかし、ほかの人と協力すれば、わたしたちはシカだって野牛だって狩ることができる。また、ほかの人と情報交換すれば、わたしたちは新たな技術などについて伝えあうことができる。というように、その進化史において、協力的なコミュニケーションはヒトに多大なメリットをもたらしたと考えられる。 しかしそれならば、次のような問いがさらに生じても不思議ではないだろう。ヒトはどうやって協力的なコミュニケーションを行うことができるようになったのか。 書は、その問いに対してひとつの回答を与えようとするものである。そして、書が導き出す回答は、原書のタイトル(Survival of the Fri

    友好的なのが何より大事 『ヒトは〈家畜化〉して進化した──私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』 - HONZ
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    yoko-hirom 2022/06/27
    攻撃的な「はてブ民」を排斥するのも自己家畜化の一種。
  • 『保身 積水ハウス、クーデターの深層』変われないこの国を描く骨太の経済ルポ - HONZ

    読み終えた途端、深いため息が出た。かつて「全員悪人」というキャッチコピーの映画があったが、さしずめ書は「登場人物、全員小物」といったところだ。だが、小物ばかり出てくるのにページをめくる手が止まらない。それはこの小物が私の中にも棲んでいるからかもしれない。このにはまぎれもなく私たちの姿が描かれている。 そのクーデターが起きたのは、2018年1月24日のことだった。住宅メーカーのリーディングカンパニー積水ハウスの取締役会で、会長職にあった和田勇が、社長の阿部俊則が提出した動議によって事実上の解任に追い込まれたのだ。 これは実に奇妙なクーデターだった。取締役会に先立つ2017年6月、積水ハウスは地面師詐欺に遭い、55億5900万円を騙し取られていた。事件をきっかけに立ち上げられた調査対策委員会は、経緯をつぶさに検証した結果、来「騙されるはずがなかった事件」だとして、社長の阿部に経営上の重い

    『保身 積水ハウス、クーデターの深層』変われないこの国を描く骨太の経済ルポ - HONZ
    yoko-hirom
    yoko-hirom 2021/06/02
    凡庸な人物が要職に就いて威張っていられるのが普通の日本人が望んだ理想郷。民主主義社会は概ね皆が望んだ通りに成るので日本もそう成っている。政官財すべて。一番悪いのは小物を後継者にしたカリスマ経営者。
  • 『宇宙考古学の冒険 古代遺跡は人工衛星で探し出せ』最新技術と地道な発掘の組み合わせが起こす革命 - HONZ

    「あなたがカッコいいと思う人物は?」と聞かれたら、迷うことなく漫画『MASTERキートン』の主人公、平賀=キートン・太一の名前を挙げる。キートンは、軍の特殊部隊で身につけた技術をもとに、危険を伴う保険調査員の仕事をこなしながら、考古学者になる夢を持ち続けている。物語のクライマックスで、たったひとり発掘作業に臨むキートンは当にカッコいい。たとえひとりきりだろうと、情熱に突き動かされるまま、彼は黙々と大地を掘り返すのだ。 考古学への情熱では書の著者も負けていない。子どもの頃、映画『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』を観てインディ・ジョーンズに魅せられて以来、その熱が衰えたことはないという彼女は、新しい研究分野「宇宙考古学」の第一人者でもある。 「衛星考古学」や「衛星リモートセンシング」とも呼ばれる宇宙考古学は、人工衛星などで取得したデータを解析し、地中に埋もれている人工物を見つけ出す最先

    『宇宙考古学の冒険 古代遺跡は人工衛星で探し出せ』最新技術と地道な発掘の組み合わせが起こす革命 - HONZ
    yoko-hirom
    yoko-hirom 2020/11/09
    安楽椅子探偵の趣きがある。
  • 『「役に立たない」科学が役に立つ』 - HONZ

    作者:エイブラハム・フレクスナー ,ロベルト・ダイクラーフ 出版社:東京大学出版会 発売日:2020-07-29 このたび東京大学出版会から刊行された、エイブラハム・フレクスナーとロベルト・ダイクラーフ著『「役に立たない」科学が役に立つ』を読み、期待していた以上に深く考えさせられ、また心を動かされました。 著者の二人は、プリンストン高等研究所を可能にした初代所長(フレクスナー)と、現所長(ダイクラーフ)です。 初代所長であるフレクスナーは、なにしろアインシュタインやフォン・ノイマンをはじめ、綺羅星のような科学者たちの居場所であった高等研究所が創設されるにあたって決定的に重要な役割を果たした人物なので、わたしのように長年ポピュラー・サイエンス系の翻訳をやっている人間にとってはある種の有名人です。その彼の有名なエッセイが日語で読めるようになるというので、刊行を心待ちにしておりました。 フレク

    『「役に立たない」科学が役に立つ』 - HONZ
    yoko-hirom
    yoko-hirom 2020/08/05
    「国家の経済と称する商人のカネ儲けの役に立たない科学」と明言しないと表現が弱い。
  • 『ステレオタイプの科学』 色眼鏡で見られると本当にできなくなってしまう - HONZ

    「女性は数字に弱い」「高齢者は記憶力がわるい」「日人はアフリカ系の人に比べて身体能力で劣っている」。わたしたちはしばしば過度の一般化を行い、特定のステレオタイプをとおして周囲の人を眺めてしまう。そして、そうしたステレオタイプがときとして深刻な偏見や差別を生み出してしまうことは、多くの人が知っているとおりである。 だが、ステレオタイプがもたらす悪影響はどうやらそれだけではないようだ。なんと、否定的なステレオタイプをとおして眺められると、眺められたその人は、学業やスポーツ、仕事などで実際にパフォーマンスが落ちてしまうというのだ。 書は、アメリカの著名な社会心理学者クロード・スティールによるものである。スティールを有名にした研究のひとつが、「ステレオタイプ脅威(stereotype threat)」に関するものである。そして、そのステレオタイプ脅威こそが、先に述べたパフォーマンスの低下を引き

    『ステレオタイプの科学』 色眼鏡で見られると本当にできなくなってしまう - HONZ
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    yoko-hirom 2020/05/05
    ステレオタイプは世間の空気や期待。それに逆らうこともまた色々と損をするので期待に応えて「できなくなる」選択も不正解とは言えない。ステレオタイプからの外れ者への世間の風当たりを弱めないと。
  • 『下級国民A』格差社会が生み落とすもの、美しい国の不都合な真実 - HONZ

    書は62歳で「住所不定無職」の新人作家として鮮烈なデビューを果たした作家、赤松利市が経験した、東日大震災の復興事業に関するルポルタージュだ。 著者、赤松は35歳で起業し、一時は年収2000万円を超えていた。しかし、ある事情により会社は倒産。以後、厳しい生活を強いられる。 そんな折、東日大震災が発生。土建業を営む知人の社長から相談を受ける。震災後の復興バブルに乗るべく専務である息子を東北に派遣するので、「営業部長」となって同行してほしい、儲けが出れば半分は赤松の取り分にするという内容だ。土木業は未経験だが、儲けを出せば利益の半分を手にできる。人生逆転のチャンスだ。そう思い仕事を引き受ける。 だが、そのもくろみはすぐに崩れさる。復興バブルに便乗するべく東北に集った零細企業たちが、大手ゼネコンのように現場全体を請け負うことは不可能だ。零細企業は、大手が請け負った現場に作業員を派遣する、人工

    『下級国民A』格差社会が生み落とすもの、美しい国の不都合な真実 - HONZ
    yoko-hirom
    yoko-hirom 2020/04/04
    この状況に胡坐をかく上級国民も品性は下劣。人から蔑まれるべき連中。つまり上から下まで全員人品品格に欠ける。それが現代日本の状況。
  • 『アスペルガー医師とナチス 発達障害の一つの起源』現代の精神医学とナチス 光と闇の意外なつながり - HONZ

    医師にとって自らの名が診断名に冠されるのは名誉なことに違いない。だが「アスペルガー症候群」に名を冠した医師ハンス・アスペルガーにとって、それは胸を張って誇れた名誉だろうか。 アスペルガーは、ナチス統治下のオーストリア・ウィーンで小児科医として活躍した。敬虔なカトリック教徒でナチスにも入党しなかった彼は戦後、ナチスに抵抗した人物として評価された。また戦中に障害のある子どもたちを迫害から守るため、彼らには特殊な能力があると診断し、「第三帝国に貢献できる人材だ」と主張して命を救った経緯から、良心的な医師としても尊ばれた。 だが書で描かれるアスペルガーの人物像は、これまでの慈愛と反骨のイメージを覆す。筆者が史料を丁寧に掘り起こすことで白日の下にさらした裏の顔は衝撃的である。 ナチスの悪名高い政策の1つが「T4プログラム(成人安楽死プログラム)」だ。同政策の下、ナチスはドイツ民族にふさわしくないと

    『アスペルガー医師とナチス 発達障害の一つの起源』現代の精神医学とナチス 光と闇の意外なつながり - HONZ
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    yoko-hirom 2019/08/25
    『人々にレッテルを貼り、選別する』 身分の上下をつくろうとする者と無くそうとする者。それが政治思想の二大潮流。ウヨサヨよりも分かりやすい。
  • 『迷いを断つためのストア哲学』現代人が共感しやすい「普通」の感覚の哲学 - HONZ

    「ストア派」は、紀元前5世紀のソクラテスの思想から派生したヘレニズム哲学の一派で、紀元前3世紀初頭にキプロス島出身のゼノンが創始した。「ストア哲学」ともいう。 ストアという名は哲学者のゼノンが、古代ギリシャの都市アテナイの列柱廊(ストア・ポイキレ)で自らの思想を説いたことに因(ちな)んだもので、英語の「ストイック」はこれを語源としている。 ストア派はヘレニズム時代からローマ帝国時代にかけて最盛期を迎えた。 「哲人皇帝」と呼ばれ『自省録』で有名なマルクス・アウレリウスをはじめ、多くの皇帝がストア派を信奉した。またストア派は、皇帝ネロの顧問を務め、『人生の短さについて』などの名著を残したセネカや、『語録』『提要』を著したエピクテトスなど、高名な哲学者を輩出した。しかしその後、ローマ帝国に広まったキリスト教の教義と相いれないことから廃れていった。 ストア哲学が今でも人々の心を捉えるのは、物事に正

    『迷いを断つためのストア哲学』現代人が共感しやすい「普通」の感覚の哲学 - HONZ
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    yoko-hirom 2019/07/06
    『コントロールできるものに注力し、コントロールできないものにとらわれるべきではない』 野党は批判だけしていればよい。多数派与党が受け付けないのであれば与党の責任。それが『普通』の感覚。
  • 何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史──『世にも危険な医療の世界史』 - HONZ

    現代でもインチキ医療、危険な医療はいくらでも見つけることができるが、過去の医療の多くは現代の比ではなくに危険で、同時に無理解の上に成り立っていた! 書『世にも危険な医療の世界史』はそんな危険な医療史を、元素(水銀、ヒ素、金など)、植物と土(アヘン、タバコ、コカインなど)、器具(瀉血、ロボトミー、浣腸など)、動物(ヒル、人、セックスなど)、神秘的な力(電気、動物磁気、ローヤルタッチ)の五種に分類して、語り倒した一冊である。 実のところ、このは何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史を、簡潔にまとめたものだ。言うまでもなく、「最悪の治療法」は今後も生み出されるだろう。 単なる事例集にすぎないともいえるのだが、それでダレるということもなく、出てくる例があまりにもトンデモでひどいことをやっているのでなんじゃこりゃ! と笑って驚いているうちにあっという間に読み終わってしまう。たとえば、ペス

    何でも治ることを売りにした最悪の治療法の歴史──『世にも危険な医療の世界史』 - HONZ
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    yoko-hirom 2019/04/26
    ロボトミー手術は1949年のノーベル医学・生理学賞。トンデモ医療エセ科学とは何なのか。
  • 『文系と理系はなぜ分かれたのか』単純だが、悩ましい分類のこれまでとこれから - HONZ

    理系か文系か、この二分法は、日常に浸透し、まるで血液型のように、はじめて会う人同士の話題になることが多い。そして、文系であるか理系であるかでレッテルを貼り、個人を理解しようとする。Wikipediaの「文系と理系」というページで展開されている「文系と理系を巡る観念的な印象」は、その代表例である。 4.1数学のできない「普通の」文系、それ以外の「特殊な」理系 4.2文系は優雅、理系は律儀 4.3文系は言葉で考える 4.4文系は前提の吟味をしない 4.5理系は会話下手 4.5.1理系男子は結婚できない 4.6理系にはオタクが多い 4.7男子は理系、女子は文系 (Wikipediaより引用) 得意科目ならまだしも、性格、コミュニケーション能力、就職や結婚の適性など、過剰に二分化されている。高校時代に明確な理由を持って文理を選択した人もいれば、なんとなく選択した人もいるだろう。しかし、文系であるか

    『文系と理系はなぜ分かれたのか』単純だが、悩ましい分類のこれまでとこれから - HONZ
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    yoko-hirom 2018/12/28
    政治の都合で決まったと。ならば,学問の視点で論じても無駄。政治は大きな枠組みを決めるので社会のすべてが政治の影響下にある。なので社会問題の解決は政治の責任。
  • 『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む - HONZ

    一般に、は読めば読むほど物知りになれると思われがちだが、実際は逆だ。読めば読むほど、世の中はこんなにも知らないことであふれているのかと思い知らされる。その繰り返しが読書だ。 「ディアトロフ峠事件」をぼくはまったく知らなかった。これは冷戦下のソヴィエトで起きた未解決事件である。 1959年1月23日、ウラル工科大学の学生とOBら9名のグループが、ウラル山脈北部の山に登るため、エカテリンブルク(ソ連時代はスヴェルドロフスク)を出発した。 男性7名、女性2名からなるグループは、全員が長距離スキーや登山の経験者で、トレッキング第二級の資格を持っていた。彼らは当時のソ連でトレッカーの最高資格となる第三級を獲得するために、困難なルートを選んでいた。資格認定の条件は過酷なものだったが、第三級を得られれば「スポーツ・マスター」として人を指導することができる。彼らはこの資格がどうしても欲しかったのだ。 事

    『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む - HONZ
    yoko-hirom
    yoko-hirom 2018/09/07
    『鍵になるのは「大気物理学」』 ダウンバーストで吹っ飛ばされたのかな。放射能汚染は謎だが。
  • 『Bullshit Jobs: A Theory(洋書)』どうでもいい仕事を理論化する - HONZ

    経済学者のジョン・メイナード・ケインズ(1883-1946年)は、 1930年に”Economic Possibilities for our Grandchildren(孫の世代の経済的可能性)”というエッセイの中で、イギリスやアメリカのような先進国では、テクノロジーの進化によって20世紀末までに週15時間労働が実現しているだろうと予言した。(”Essays in persuasion(ケインズ 説得論集)”) ケインズの指摘する通り、確かにテクノロジーは大いに進化したものの、結局、この予言は当たらなかった。ロンドンスクール・オブ・エコノミクス(LSE)の社会人類学教授のデヴィッド・グレーバーは、その理由を、テクノロジーがむしろ無意味な仕事を作り出す方向に使われたからだと説明する。 グレーバーは、”We are the 99%(我々は99パーセントだ)”というスローガンで行われた、201

    『Bullshit Jobs: A Theory(洋書)』どうでもいい仕事を理論化する - HONZ
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    yoko-hirom 2018/07/27
    核心を突いている。事実関係の再確認を待たずして何故か否定したい気持ちが湧いてくるのは洗脳の結果であり陰謀が存在する証拠。
  • 『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』AI・ビッグデータの暴走を止めよ! - HONZ

    『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』AI・ビッグデータの暴走を止めよ!編集部解説 ある日、ドアを開けると・・・ ある日、玄関の呼び鈴が鳴り、ドアを開けると警官が立っている。 「警察はあなたを監視しているので、気をつけるように」 そう告げられるが、これまで犯罪をおかしたことなどない。だが、ビッグデータを活用した「犯罪予測システム」によって、要注意人物として指定されたという。ソーシャルネットワーク解析によって、知り合いに犯罪者のいたことが、その理由の一端らしい。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 求職中のあなたは、就職したい企業に応募するが、どこからも断られてしまう。学業は優秀だし、採用されるとばかり思っていたので、たいへんなショックだ。原因はどうやら「適性検査」プログラムで、メンタル面に問題ありと診断されたことらしい。普及している電子審査のため、どこを受けても同

    『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』AI・ビッグデータの暴走を止めよ! - HONZ
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    yoko-hirom 2018/06/18
    『能力・適性・信用、さらには善悪や身体までもが、数値化・スコア化され、選別されている』 AIが無くても同じ。身分をつくろうとする企みこそが悪/『有害なフィードバックループ』 評価があれば正帰還が生まれる。
  • 『自衛隊元最高幹部が教える 経営学では学べない戦略の本質』絶対に負けられないことを前提に - HONZ

    「東日大震災当時、自衛隊トップの統合幕僚長を務め、映画『シン・ゴジラ』の財前統合幕僚長のモデルとされる伝説の自衛官が、アカデミズムが取り上げない戦史研究の意義、危機の現場で人と組織を動かす極意、地政学を超える地経学の重要性、戦略の成功確率を上げるための戦力回復の真髄まで、ビジネススクールでは教えてくれない戦略の質を明らかにする。」 こんなうたい文句のが出版されたので、早速、購入して読んでみたら、確かに極めて内容の濃いだった。 兵法書や軍事書といえば、孫武の『孫子』とクラウゼヴィッツの『戦争論』が代表格で、両書とも指揮官教育において不可欠な教材として、日の防衛大学校、アメリカ国防総合大学校、イギリス王立国防大学校を始めとする、各国の国防関係の教育機関で使用されている。 書は、こうした基的な古典書から、『甘えの構造』『菊と刀』『失敗の質』といった日特有の精神構造を形作る「集合

    『自衛隊元最高幹部が教える 経営学では学べない戦略の本質』絶対に負けられないことを前提に - HONZ
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    yoko-hirom 2018/01/25
    『今の自衛隊は、旧日本軍とは違って』 徴兵が無いから損耗が許されない。幾らでも人を集められる企業は損耗を躊躇わない。
  • 誰か嘘だと言ってくれ、『アベノミクスによろしく』と『異次元緩和の終焉』に - HONZ

    科学者というのは、データを出すことが最も重要である。それに次いで、いや、それと同じくらい重要なのがデータを解釈することである。ライフネット生命創業者の出口治明さんが、物事を決める時に重要、と、おっしゃるところの『数字、ファクト、ロジック』は、科学者にとっての根幹でもある。 経済にはまったく疎い。なので、この二冊のに書いてあることが真実なのかどうか、正しく判断する術を持たない。しかし、示されているデータを見て、その解釈を読んでいると、真実であるとしか思えない。一方で、アベノミクスはうまくいっていると喧伝されることも多い。まさか全くのウソではあるまい、という気もする。素人は悲しからずや。いったいどちらが正しいのかがわからない。 『アベノミクスによろしく』から紹介したい。モノシリンさんが太郎くんに説明するという、ややベタな形式で論が進められていく。しかし、豊富なデータが示されていて、説明はわか

    誰か嘘だと言ってくれ、『アベノミクスによろしく』と『異次元緩和の終焉』に - HONZ
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    yoko-hirom 2017/11/28
    アベノミクス信者は,「アベノミクスの成功が分からないのはバカ」と嘲ることしか出来ない。その手の論法を使うのは詐欺師と相場が決まっている。『裸の王様』でご存知の通り。
  • 『子育ての大誤解 重要なのは親じゃない 』「言ってはいけない」真実が示す、親と子の幸福なあり方 - HONZ

    『子育ての大誤解 重要なのは親じゃない 』「言ってはいけない」真実が示す、親と子の幸福なあり方文庫解説 by 橘 玲 『子育ての大誤解』は掛け値なしに、これまででわたしがもっとも大きな影響を受けたのひとつだ。なぜなら長年の疑問を、快刀乱麻を断つように解き明かしてくれたのだから。 いまでいう「デキ婚」で24歳のときに長男が生まれたのだが、その子が中学に入るくらいからずっと不思議に思っていたことがあった。親のいうことをきかないのだ、ぜんぜん。13、4歳のガキと30代後半の大人では、経験も知識の量も圧倒的にちがう。どちらが正しいかは一目瞭然なのに、それを理解できないなんてバカなんじゃないのか、と思った。 しかしよく考えてみると、自分も親のいうことをまったくきかなかった。だとすればこれは因果応報なのだとあきらめたのだが、それでも謎

    『子育ての大誤解 重要なのは親じゃない 』「言ってはいけない」真実が示す、親と子の幸福なあり方 - HONZ
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    yoko-hirom 2017/08/23
    『子どもは友だち関係のなかで人格を形成していく』 ならば保育園幼稚園学校の選択が重要であり,それはやはり親次第。
  • 『そろそろ、人工知能の真実を話そう』シンギュラリティ仮説の背後にうごめくもの - HONZ

    『そろそろ、人工知能の真実を話そう』シンギュラリティ仮説の背後にうごめくもの解説 by 西垣 通 2010年代後半に入って、AI(人工知能)ブームの過熱ぶりは凄まじい。とりわけ、 その中核にあるシンギュラリティ(技術的特異点)仮説は、現代のグロテスクな神話と言ってもよいだろう。書『そろそろ、人工知能の真実を話そう』(原題は Le mythe de la Singularité、 2017)は、シンギュラリティが実際に到来するかどうかを冷静に見極めるだけでなく、 その背後にある文化的・宗教的なダイナミックスを、「仮像(pseudomorphose)」という概念にもとづいて容赦なくえぐり出してみせる。きびしい警告の書物である。 だが、著者は決してAI技術自体を否定しているのではない。むしろ、来のAI技術が、 シンギュラリティという怪しげな神

    『そろそろ、人工知能の真実を話そう』シンギュラリティ仮説の背後にうごめくもの - HONZ
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    yoko-hirom 2017/05/26
    「シンギュラリティ仮説はグノーシス主義で異端」「偽りの善意の陰に潜むハイテクIT企業による世界支配」 陰謀論。神の力を我が手にとは太古から人類共通の願望では。特異なものではない。