「女性活躍」を掲げながら、この国の政府の人権感覚は一体どうなっているのか。辞任表明した福田淳一・財務事務次官のセクハラ疑惑。公文書改ざんで指弾を受けている最中の倫理観の欠けた対応や発言に、女性の権利問題の専門家らも怒りをあらわにしている。【井田純】 「公正中立な第三者が調査」常識 週刊新潮の報道が発端となったこの疑惑。「加害者」側の財務省は16日、被害者側に、同省の顧問弁護士に名乗り出るよう求めた。 「長年セクハラ問題に取り組んでいますが、こういう発想には初めてお目にかかりました。日本の高級官僚は、こんなにも女性の人権と無縁なのか、と改めて驚いています」。こう話すのは、1989年に福岡地裁に提訴した全国初のセクハラ訴訟で、原告女性の代理人を務めた角田由紀子弁護士。財務省の調査手法に異議を唱える声明をネット上に公開し、署名活動を始めた弁護士有志の一人でもある。「公正中立な第三者が調査を行うの