16日発足した菅義偉内閣は、閣僚ポストを自民党内の各派閥にほぼ均等に配分した上で、所管行政に精通した実務家を多く起用する手堅い布陣となった。ただ、派閥別の配慮の仕方には濃淡があり、総裁選で対立候補を擁立した岸田派や石破派などからは不満も漏れる。 派閥均衡とはいえ、菅首相を総裁選で支持した5派閥の中で「満足度」では差がついた。 「では、うちの状況を説明してください」。就任前の首相から入閣要請の電話があった15日夜。上機嫌の二階俊博幹事長は、東京都内のホテルに詰めかけた記者団に、二階派の入閣状況を説明するよう同派議員に促した。 直前の会食では二階氏らが平沢勝栄氏(75)を囲み、首相からの連絡を待っていた。もともと総裁選の打ち上げ名目の会食だったが、首相から平沢氏に電話が入ると、入閣祝いの場に変わった。 二階派からは初入閣の平沢氏のほか、武田良太総務相(52)が国家公安委員長から横滑りで閣内に残