「編集者っていったい何をする人なんですか?」と尋ねられて、一瞬答えに窮したことがあります。当時は出版社の書籍編集者だったのですが、たしかに著者がいて、本の印刷や製本をする人、文字の校正者、デザイナーがいれば、本は出来てしまいそうな感じもします。 いやいや、編集者というのはですね…と、その場では、しどろもどろに説明したのですが、その後もずっと頭の片隅にあって、「編集」の本質とは何か、ということを考え続けています。編集者の数だけ「編集」の定義はあると思いますが、私の現在の定義は、 編集とは、「混沌としたものに目鼻立ちを与えること」。 編集とは、「良いところを見つける技術」。 編集とは、「わかりやすく伝える技術」。 編集の目的は、人の心を動かすこと。 というものです。(11月3日に、1つ追加しました。) 「編集」とは何か?ということを考え始めてから、「編集」という技術は、人と人が存在するところに