朝ドラで話題の植物学者、牧野富太郎は小学校中退である。授業が退屈すぎて自主退学したことはよく知られている。現代からみれば、牧野富太郎は「ギフテッド」だったのかもしれない。 本書はギフテッドの実像に迫ったノンフィクションである。「ギフテッド」という言葉自体は社会に認知されつつあるが、その実態はほとんど知られていない。彼らの等身大の姿を伝える本書は、才能とは何か、個性とは何かという問いを私たちに投げかける。読めば、ギフテッドに対する認識が180度変わるだろう。 「ギフテッド」と聞いて、どんな人を思い浮かべるだろうか。多くの人がイメージするのは、「桁外れの天才」かもしれない。人並み外れた頭脳を持つ天才、例えばアインシュタインのような人物のイメージである。 本書でまず驚くのは、ギフテッドが決して珍しい存在ではないということだ。海外の研究では、ギフテッドは様々な才能の領域で3~10%程度いるとされる