世界史の目 偉大なるロマンを求めて! 学習塾塾長がお届けする、あらゆる世界で産まれた雄大なロマンをご紹介するサイトです。 ◀第106話▶ 天文革命 16世紀、ポーランドの天文学者、コペルニクス(1473-1543)が没する直前、著書『天球回転論(天球の回転について)』が刊行された。彼の強い意向があり、臨終の際に出版されたのである。著書が彼の手元に届けられ、その数時間後に彼は没した。 コペルニクスが著書の出版を臨終直前に刊行しようとした理由は、彼が1530年頃に打ち立てた宇宙観である地動説(地球の自転と公転を認める説)に原因があった。この自説は、かつてアリストテレス(ギリシャの哲学者。B.C.384-B.C.322)やプトレマイオス(2C頃のギリシア人。古代ローマ時代に活躍。主著『天文学大全(アルマゲスト)』)らが長年に渡って唱えられ、定説とされていた地球中心に宇宙が動いているという天動説(