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SFに関するyuisekiのブックマーク (175)

  • 『プロジェクト・ニンバス』プレビュー。タイからやってきた、日本のアニメ・ゲームの影響を受けたメカアクション - AUTOMATON

    ホーム レビュー・インプレ 『プロジェクト・ニンバス』プレビュー。タイからやってきた、日のアニメ・ゲームの影響を受けたメカアクション ソフトバンクショップに行けばちょっぴり生意気な感情認識ヒューマノイドロボットPepperが受付嬢がわりに立っていたり、部屋の片隅にはコードを巻き込んで身動きがとれなくなっているルンバがいたり、普段の生活のなかでもロボットを目にする機会が増えている。しかしわたしが「ロボット」という言葉を耳にしたとき、または目にしたとき、頭の中に描くのは、そんな馬鹿なと思わせる合体が魅力の『ゲッターロボ』や、シリーズが始まって35年以上経過した人間ドラマ『機動戦士ガンダム』などのアニメである。そして、それら現実離れした世界、いつかそのような時代が訪れるのではないかと夢見る世界を疑似体験させてくれるゲームが、わたしにとって身近な「ロボット」なのである。 『アーマードコア』『フロ

    『プロジェクト・ニンバス』プレビュー。タイからやってきた、日本のアニメ・ゲームの影響を受けたメカアクション - AUTOMATON
  • 世代別SF作家ガイドが嬉しい、ベストSF2015──『SFが読みたい! 2016年版』 - 基本読書

    SFが読みたい! 2016年版 作者: S‐Fマガジン編集部出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/02/10メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る毎年恒例のSFが読みたい! の2016年版が出ました。 僕はSFマガジンで海外SFのブックガイドを担当していることからこの読みたい! では海外SFベスト20の解説と総括、それからランク外の注目作品について書いています。どれもおもしろさの方向性が違うので「これだけは読んどけ」というのはないのだけど(あるけど)、僕の簡単な解説もけっこう分量が(1万文字ぐらい)あるので、何か適当に読むを選ぼうかなと思う人は読んでみてね。 さて、では内容の話にうつりたいところなんだけれども、ランキングを1から10までここでバラしてしまうのもおもしろくないので、未読の人でそのへん気になる人は屋でぱら見したり買ったり、あるいはネットで検索して

    世代別SF作家ガイドが嬉しい、ベストSF2015──『SFが読みたい! 2016年版』 - 基本読書
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    yuiseki
    yuiseki 2016/01/24
  • ガラスの花と壊す世界 萌え豚が一生懸命SF部分を考察してみた - カッパでもレビューしたい

    「アニメ映画『ガラスの花と壊す世界』を観てきたぞー!」 「難解なストーリー、そして圧倒的ブヒリティ。パンチの効いた作品でしたね」 【目次】 まずはネタバレなしの感想 デュアルちゃん クールだけど履いてない。可愛い ドルシーちゃん 心を開かないけど露出度はNo1。可愛い リモちゃん 「お花畑を探してるの」とまるで頭がお花畑のようなセリフで登場。可愛い ストーリー1 現実だと思った? 残念、夢でした ストーリー2 記憶喪失の少女、リモと出会う リモの記憶を探しに〜 急にPV流れる リモがおかしくなる 急に死んだ魚の目で歩き回る パワーアップして露出も大幅アップ! リモの正体、そして別れ そしてエンディング リモは何者なの? なんでウィルスが増えてきたの? ウィルスはどこからやってくるの? リモが途中で苦しんだりしてたのはなんで? ピアノ聴いたらなんで落ち着いたの? マザーって何なの? 何したか

    ガラスの花と壊す世界 萌え豚が一生懸命SF部分を考察してみた - カッパでもレビューしたい
  • 英米SF賞史上最多7冠受賞作『叛逆航路』は新たなるフェミニズムSFの潮流なのか? - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

    ■叛逆航路 / アン・レッキー ■英米SF賞史上最多7冠受賞作 ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、アーサー・C・クラーク賞、英国SF協会賞、英国幻想文学大賞、キッチーズ賞の7冠獲得 二千年にわたり宇宙戦艦のAIだったブレクは、自らの人格を四千人の人体に転写した生体兵器〈属躰〉を操り、諸惑星の侵略に携わってきた。だが最後の任務中、陰謀により艦も大切な人も失う。ただ一人の属躰となって生き延びたブレクは復讐を誓い、極寒の辺境惑星に降り立つ……デビュー長編にしてヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞など『ニューロマンサー』を超える英米7冠、格宇宙SFのニュー・スタンダード登場! この『叛逆航路』、まずなんといっても《英米SF賞史上最多7冠受賞!》って所で「おお!」ってなりますよね。「『ニューロマンサー』『ねじまき少女』を超える受賞数!」なんて言われちゃうとさらに「おお!おお!」ってなっちゃいま

    英米SF賞史上最多7冠受賞作『叛逆航路』は新たなるフェミニズムSFの潮流なのか? - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ
  • 残虐行為記録保管所 / チャールズ・ストロス - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

    残虐行為記録保管所 (海外SFノヴェルズ) 作者: チャールズ・ストロス,小阪淳,金子浩出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/12/14メディア: 単行購入: 4人 クリック: 64回この商品を含むブログ (49件) を見るイギリスSF作家チャールズ・ストロスの描くクトゥルー・スパイSF。『残虐行為記録保管所』『コンクリート・ジャングル』の長・中篇2作収録。クトゥルー神話というキーワード、そして『残虐行為記録保管所』という物々しいタイトルから、どれほど鬼面人を威すおどろおどろしい物語が描かれているのかと思ったが、読み始めてみると予想に反してどこかずっこけた味わいすらあるSF作品だった。映画『未来世紀ブラジル』を思わせる滑稽な官僚主義社会、ウィリアム・ギブソンが描いたかのような電脳ガジェットを操るナードな登場人物、アメリカンコミックで映画化もされた『ヘルボーイ』を髣髴させるナチス

    残虐行為記録保管所 / チャールズ・ストロス - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ
  • 水利権を巡り暴力と死の横行する暗澹たる未来を描いたSFノワール『神の水』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

    ■神の水 / パオロ・バチガルピ ■『ねじまき少女』パオロ・バチガルピの最新長編SF作品 近未来アメリカ、地球温暖化による慢性的な水不足が続くなか、巨大な環境完全都市に閉じこもる一部の富裕層が、命に直結する水供給をコントロールし、人々の生活をも支配していた。米西部では最後のライフラインとなったコロラド川の水利権をめぐって、ネバダ、アリゾナ、カリフォルニアといった諸州の対立が激化、一触即発の状態にあった。敏腕水工作員(ウォーターナイフ)のアンヘルは、ラスベガスの有力者であるケースの命を受け、水利権をめぐる闇へと足を踏み入れていく……。『ねじまき少女』で化石燃料の枯渇した世界を描いた作者が、水資源の未来を迫真の筆致で描く傑作。 化けた。傑作SF小説『ねじまき少女』を書いたパオロ・バチガルピがさらにとんでもない領域へと大化けした。 『ねじまき少女』(レビュー)は地球環境悪化とテクノロジーの暴走に

    水利権を巡り暴力と死の横行する暗澹たる未来を描いたSFノワール『神の水』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ
  • 【今週はこれを読め! SF編】狂気が生みだした「月」、「月」が夢見る言語化しえぬ現実 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    冒頭はいきなり天使降臨による日常の壊滅だ。もはや地上には安全な場所はなく、菱屋修介は自らの妄想がつくりだした「月世界」へと逃げこむ。そして、現実が分岐する。 修介がもといた日常は、章題では「世界n」と示されている。 一方、分岐した現実のひとつ「世界n+1」では、ニホン語が失われている。もとからそんな言語など存在しないというのが言語学者のあいだでの定説だ。敗戦によりニホンの公用語は英語になったが、それ以前から上位言語として英語は使われており、そのほかに何種類かの俗語があったらしいがそれらは口語だったので文献は残っていない。 この定説に異を唱える異端派もいる。言語学研究を進めるなかで直感的にニホン語に行きあたった者、あるいは政治的運動のなかでニホン語隠蔽の陰謀(?)を疑う者。「世界n+1」での物語は1975年で進行し、当時の世相が大きな影を落とす(その雰囲気に多くのSFファンは山田正紀『神狩り

    【今週はこれを読め! SF編】狂気が生みだした「月」、「月」が夢見る言語化しえぬ現実 - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • サイバーパンクの定義論と『プリパラ』 - 星のお姫さまの日記

    2015-01-21 サイバーパンクの定義論と『プリパラ』 「仮想(ヴァーチャル)と現実(みらい)が交差する世界で」――『プリパラ』第3期エンディングテーマ『I Just Wanna Be With You 〜仮想(ヴァーチャル)と真実(リアル)の狭間で〜』 「あなたは“ネイチャー”を意味する日語が、ごく最近の造語であることをご存じですか? その歴史はたかだか百年くらいなんです。ミスター・レイニー、われわれはテクノロジーを敵視する観点を発展させずにきました。テクノロジーは自然の一側面、合一の一側面です。われわれの努力をつうじて、合一はそれ自身を完成させるでしょう」桑山は微小した。「そして、大衆文化がわれわれの未来のたたき台なんです」――ウィリアム・ギブスン『あいどる』 今年2015年にタブレットの出荷台数は3億台に達し、パソコンの出荷台数をこえると予測されている。2013年には世界のデジ

    サイバーパンクの定義論と『プリパラ』 - 星のお姫さまの日記
  • 『インターステラ−』 - logical cypher scape2

    クリストファー・ノーランの宇宙SF映画 今、自分のブログ見返してみて気付いたけど、なんだかんだいって、ノーランそこそこ見ている 『メメント』、『プレステージ』、『ダークナイト』、『インセプション』 これらの感想を見てると、見終わった後に結構興奮しているのが伝わってくるなあw これらの作品と比べてみると、『インターステラー』については、そこまで見終わった後の興奮はないといえる。 しかし、決してつまらない作品ではなくて、十分面白い作品であったとは思う。 3時間近い長さがあるわけだけど、その長さを感じさせない作品だった。 オクラって英語だったのか!(お約束) 直方体かわいいよ直方体 予告編にもちらちら出てくる直方体ロボット、実は3体いて、それぞれTARS、CASE、KIPPという。声や喋り方はちょっとHAL9000っぽいが、TARSは海兵隊ジョークを飛ばすユーモアの持ち主で、CASEは寡黙ながら

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  • 【今週はこれを読め! SF編】〈エリアX〉への入界(イニシエーション) - 牧眞司|WEB本の雑誌

    地球上に突如あらわれた狂った生態系の異界。それは〈エリアX〉と名づけられた。出現してからこれまで11回もの調査隊が派遣されているが、一般にはまだその存在は認知されていない。政府は「軍の実験的研究により、局所的な環境破壊が発生した」との見解だけ、過剰なメディアの報道のなかにまぎらせ、うっすらと流すだけだ。世間はだれも関心を持たないし、当の調査メンバー候補たちも目先の任務しか見ていない。訓練が厳しく、人から伝えられる情報に信憑性などないからだ。わかっているのは、これまでの調査で無事に帰還したものは一人もいないという事実だ。第2次調査隊は全員が自殺、第3次調査隊は互いに殺しあった。とりわけ奇妙なのは第11次調査隊で、彼らは〈エリアX〉のなかで一人ひとり忽然と姿を消し、魂が抜けた様子で自宅へと戻ってきた。彼らの話は要領を得ず、やがて全身が癌におかされていることが判明する。 『全滅領域』は第12次調

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  • 【今週はこれを読め! SF編】絢爛なアイデアがてんこもりの未来宇宙SF。でも、いちばんに根底には...... - 牧眞司|WEB本の雑誌

    全部乗っけかよ、ロビンスン! 『2312』には、テラフォーミングの進んだ太陽系、チューリングテストを突破する量子AI、自由に性転換をする人類など、絢爛たるアイデアがどっさりだ。大盤ぶるまい。それでいながら、シンギュラリティとかポストヒューマンとかトンガった方向へはいかない。カッティングエッジのネタをどっさり乗せつつ、物語は昔ながらのストレート/ストロングなSFだ。 題名が示すとおり時代は西暦2312年。高度に発達したエンジニアリングを駆使して、人類は水星から土星衛星群にまたがる太陽系諸天体へと居住域を広げていた。皮肉なことに当の地球にだけは大胆なテラフォーミングが施せず(広く人が住んでいるせいで)、環境破壊がじわじわ進むばかりの後進地域に成りさがっていた。資源も枯渇し、文化的にも停滞している。それが宇宙で新天地を切り拓いた者たちとの軋轢を生む。また、諸天体間にもさまざまな利害関係があり、そ

    【今週はこれを読め! SF編】絢爛なアイデアがてんこもりの未来宇宙SF。でも、いちばんに根底には...... - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 【今週はこれを読め! SF編】哲学と脳科学を結ぶ宮内悠介、世界をひっくりかえす藤野可織 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    7冊目となる創元SF文庫の「年刊SF傑作選」。前巻まで、よくわからないがカッコよさげな四字熟語のタイトルだったが、こんかいから収録作から表題をつけるようになって、まずはめでたい。覚えやすい。 2013年に発表されたあまたのSF短篇のうちから選りすぐって......が主旨だが、作者の意向、各版元の事情、アンソロジーとしてのバランス、文庫一冊という物理的制約などがあり、編纂はパズルを解くようだろう。しかも、苦労してできあがったラインナップを見て、半可通の野次馬(ぼくだ!)が「コレが傑作って、ネタじゃないの?」「ソレを入れるくらいならアレを入れろよ!」と勝手を言うのだから、アンソロジストとは報われぬ仕事である。ま、書の編者ふたりはそんなことすら見越したうえで、むしろ見せつけるように仕掛けているだろうが。 まず、読者がかぶるから大森編『NOVA』(河出文庫)からは採らないという方針は、アッパレ

    【今週はこれを読め! SF編】哲学と脳科学を結ぶ宮内悠介、世界をひっくりかえす藤野可織 - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • CNN.co.jp : これがワープ実現の宇宙船――NASAが画像公開

    「IXSエンタープライズ」と命名。1965年に描かれたスター・トレックのスケッチを参考にしているという (CNN) 米航空宇宙局(NASA)は、光速を超えて宇宙空間を移動する「ワープ航法」の性能をもった宇宙船の設計画像を公開した。 ワープ航法を実現する宇宙船の研究は、NASAの先端推進技術研究チームを率いる物理学者のハロルド・ホワイト氏が2010年から取り組んできた。 イメージ図は同氏の設計をもとに、アーティストのマーク・レドメーカー氏が制作した。制作には1600時間以上を要したという。ホワイト氏はSF映画「スター・トレック」に登場する宇宙船にちなんで、この宇宙船を「IXSエンタープライズ」と命名。同船の設計も、1965年に描かれたスター・トレックのスケッチを参考にしている。 ホワイト氏は昨年11月に米アリゾナ州フェニックスで開かれた宇宙カンファレンスで、この宇宙船のデザインやコンセプト、

    CNN.co.jp : これがワープ実現の宇宙船――NASAが画像公開
    yuiseki
    yuiseki 2014/06/13
  • 【今週はこれを読め! SF編】局面の動きの目まぐるしさ、物語を座標軸ごと転倒させる大胆さ - 牧眞司|WEB本の雑誌

    第1回ハヤカワSFコンテスト最終候補となった表題作を巻頭におき、4篇の書き下ろしを加えて作られた短篇集だ。 これで同コンテスト最終候補に残った5作品のうち、主催の早川書房が刊行を公言していた4つがすべて出揃ったことになる(正確に言うと「オニキス」は書籍化に先んじて〈SFマガジン〉に掲載済みだが)。ほかは、六冬和生『みずは無間』[受賞作]、坂壱平『ファースト・サークル』、小野寺整『テキスト9』。前二者は欄ですでに紹介した。それぞれに特色があるが、ぼくは「オニキス」がもっとも面白い。 このコンテストの応募規定には「400字詰原稿用紙100〜800枚程度」とあるため、短篇と長篇が同列に審査されることになるのだが、最終候補に残ったうち短篇は「オニキス」だけだった。その短い尺のなかで目まぐるしく局面が変わる。物語進行上の場面転換というだけではなく、作品内の現実そのものが変わるのだ。自然発生する「

    【今週はこれを読め! SF編】局面の動きの目まぐるしさ、物語を座標軸ごと転倒させる大胆さ - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 鮮烈なイメージ──漆黒の女性型生体兵器が、211隻の戦闘飛行艦を撃つ - 牧眞司|WEB本の雑誌

    大異変や壊滅戦争などによって世界がリセットされ、ぼくたちが知るこの現在とは断絶してしまった未来。SFではこれまでも繰り返し用いられてきた設定だが、『躯体上の翼』はそれをずいぶん効果的に活かしている。この方式ならば歴史のつながりという余計な手続きを経ることなく、現代が産出した先鋭の要素(テクノロジー、システム、価値観)だけ随意に取りだし、ガジェットとして駆使することができる。 とにかくイメージが鮮烈だ。都市部には炭素繊維躯体の高層構造物が雲を突きぬけて佇立するが、それらは社会的機能を担わぬ荘厳な廃墟のようなもので、一般の人間はその下層にしがみつくように悲惨な暮らしを強いられている。他の惑星との連絡も失なわれて久しく、資源の枯渇した世界で、強権の〈共和国〉が他の文明を滅ぼしながら拡大中だ。この政府の戦略は「緑化政策」と呼ばれている。炭素繊維躯体を崩壊させて植物を生育を促すというのが名目だが、実

    鮮烈なイメージ──漆黒の女性型生体兵器が、211隻の戦闘飛行艦を撃つ - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • ハードSFの真骨頂。異世界内の視点・言葉だけですべての物理を究明する - 牧眞司|WEB本の雑誌

    グレッグ・イーガンを現代SFのトップランナーと位置づけることに、ぼくも異論はない(作品の質ではテッド・チャンのほうが上だが、いかんせんチャンは寡作だ)。しかし、人間原理とかコペンハーゲン解釈とかを都合よく用いたメタフィジカルなアイデアが出てくるたび、眉にツバをつけながら読んでいる。これ、なんだかアヤしくないか、と。 その点、『白熱光』は安心だ。すべてがすっきりとフィジカル。これは健全なハードSFだ。ちょっとばかり手強いけれど。 ふたつのストーリーが交互に語られる構成だ。 奇数章は、SF読者にとってはおなじみの未来で進行する。人類が宇宙へと進出して数百万年以上が経過し、ほかの種族(生物由来だけではなく情報空間由来も含む)と融合している。物質現実/電脳空間の越境は日常だし、身体改変もあたりまえなので、誰がどの種族の出身かなどことさら意識することはない。人びとは銀河系全域にはりめぐらされた通信ネ

    ハードSFの真骨頂。異世界内の視点・言葉だけですべての物理を究明する - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 宇宙をゆくAI人格の眠れぬ夜。よみがえる愛が宇宙を滅ぼす。 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    「第一回ハヤカワSFコンテスト」の大賞受賞作。題名の"みずは"はヒロインの名前、"無間"は仏教用語の無間地獄に由来する。 語り手の雨野透は、宇宙探査機に人格転写されたAIだ。彗星の巣エッジワ−ス・カイパーベルトの調査というミッションを果たしたあとは、どこへ行こうが気の向くまま。地球に戻るなんてこれっぽっちも思わない。というのも、生身だったころの透は、恋人のみずはに振りまわされてさんざんな思いをしていたからだ。 みずは。これまでSFはさまざまな毒婦・妖女を描いてきたが、彼女はそういうのとはまた系統が異なる。悪意もないし攻撃力もない。ただ、むやみにメンドクサイのである。 たとえば透がうたた寝をしていると、上からしだれかかって甘い息を吐きながら「寝ちゃいやだよ。ひさしぶりに会えたんだもん」という。たった四日間会わなかっただけなのに。透がちょっと引くと、「お願い、嫌いにならないで」と泣く。独りよが

  • 「化粧/皮膚」の機能・意味・可能性を問う、たおやかな想像力 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    発端は美少女のイメージ広告だった。「この素肌、真実。」とだけコピーがあり、商品そのものの情報はいっさいない。〈コスメディック・ビッキー〉という社名から察するに化粧品メーカーなのだろう。それにしても、広告の美少女はほとんど奇跡だ。「美」といっても目鼻立ちのことではない。どこまでも細やかな肌理、瑞々しく、うっすら輝くような皮膚。イメージ広告は女性のあいだでちょっとした話題になる。女子大生の岡村天音も例外ではないが、ビッキーの直通電話に連絡してみるふんぎりはつかない。そんなおり、同じコーラス・サークルの真鍋先輩が大変身をとげて、天音を驚愕させる。それまでは歌うと顔にヒビが入ると言われるほどの厚化粧だったのが、つるりとなめらか、まるでマシュマロのような肌になっているのだ。聞くと〈素肌改善プログラム〉を受けているという。 〈素肌改善プログラム〉は、〈コスメディック・ビッキー〉が開発した新しい技術だっ

  • ポストヒューマンvs.ナルヒューマンの壮絶宇宙対決! 「意識」は弱点か武器か? - 牧眞司|WEB本の雑誌

    地球を包囲した6万5000以上もの探査機、太陽系外縁に形成されつつある放射線まみれの巨大構造体。はたして何者のしわざか? そして目的はなんなのか?  ----と、大枠の設定はSFの伝統的テーマのひとつファーストコンタクト(未知との遭遇)である。しかし、宇宙のみなさんコンニチハなんて牧歌的な物語(昔懐かしいラインスターみたいな)は言うにおよばず、双方が知性を備えていればコミュニケーションの接点があるはずという発想すら、『ブラインドサイト』では端から投げ捨てられている。やってきたのは地球のロジックがまったく通じない絶対他者だ。もちろん、こうした存在はピーター・ワッツの専売特許ではなく、ストルガツキー兄弟『ストーカー』をはじめ先行例がある。しかし、この作品が独特なのは、人類と絶対他者があくまで同じ土俵の上で対峙するとことだ。なにも通じないのにコンタクトは不可避。そう、これはファーストコンタクトど