「ぴあ」の最終号を買った。雑誌が休刊するときは、どんな雑誌でも悲しいものだが、一時代を築いたとなればなおさらである。付録に「創刊号 復刻版」がついている。昭和47年(1972年)7月10日発行とある。巻頭の「ロードショウ案内」には「ゴッドファーザー」「個人教授」「ひきしお」「華麗なる賭け」「南太平洋」などが並ぶ。行きつけだった新宿昭和館では、松方弘樹の「不良街」、若山富三郎と藤純子の「シルクハットの大親分」、鶴田浩二の「博奕打ち殴り込み」三本立て。丸の内ピカデリーでは、マドンナ役に吉永小百合をむかえたシリーズ第9作目「男はつらいよ 柴又慕情」だ。演劇、音楽、ジャズ喫茶生演奏と続く。 編集後記には「『ぴあ』は情報だけを独立させ、映画・演劇・音楽の総合ガイド誌として位置することを目指します」と矢内廣が書いている。100YEN。渋谷よりも新宿が熱く、銀座は敷居が高く、六本木や霞町がおもしろかった