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ブックマーク / number.bunshun.jp (13)

  • 2度のトレードを経て西武入りの32歳。ジャーニーマン・渡辺直人の“愛着”。(加藤弘士)

    渡辺直人は、古巣のファンからの声援に手を上げて応えた。彼の野球を巡る冒険は、まだまだ終わることなく続いていく。 渡辺直人のグラブは相当、使い込まれている。茶色が黒っぽく変色した、かなりの年季モノだ。プロ野球選手はもちろんのこと、今時、高校球児でもこんなボロボロのグラブは使わないだろう。学校の体育倉庫で山積みにされた、授業で使うソフトボール用のグラブ。限りなくあの色に近い。 「渡辺 2」の刺繍は、'07年の楽天入団時に入れたものだという。6年間ずっと、同じグラブを使い続けている。 「かなり、ボロボロになっちゃいましたよね。手入れはちゃんとしていますよ。やっぱり、愛着がありますから。自分、モノにもチームにも、愛着が湧きやすいんです」 最も愛着がある場所。それはプロ入り後の4年間、命懸けでプレーした仙台だった。 敵地にもかかわらず、仙台に鳴り響いたファンの歓声。 2013年7月12日、Kスタ宮城

    2度のトレードを経て西武入りの32歳。ジャーニーマン・渡辺直人の“愛着”。(加藤弘士)
  • “MLB最強のクレイジー”、「T」が横浜を覚醒させる夏。(村瀬秀信)

    ブルワーズで青木宣親にポジションを奪われ、昨年オフにFAで移籍したナイジャー・モーガン。青木は「トラブルメーカーのイメージがあると思うんですけど、そんなこと全然なくて、とてもあったかい人間で、すごく好きなタイプの選手」と雑誌に答えている。 今日も猛暑が続く日列島。 炎天下の町をTシャツを汗だくにしてさまよえば、海開きしたビーチでTバック水着のお姉さんが闊歩する姿を妄想する今日この頃。涼を求めて冷房の効いたコンビニに逃げ込めば「Tポイントカードはお持ちですか?」と毎度毎度問い詰められる「T」にまみれた熱い夏。 そんな中、今最も「T」が熱いのが、横浜である。 横浜DeNAベイスターズ、ナイジャー・モーガン。またの名をTony Plush。頭文字「T」。 MLB時代から「プロ野球はエンターテイメントだ」とし、お客さんを楽しませることを是としてプロ野球選手としての別人格「トニー・プラッシュ」を名

    “MLB最強のクレイジー”、「T」が横浜を覚醒させる夏。(村瀬秀信)
  • アイルトン・セナは永遠に~英雄がF1に残したもの~(今宮雅子)

    英雄の死は、F1という世界から喜怒哀楽の感情を奪い去ってしまった。 だが時が流れたいま、人々はもう痛みを恐れることなく、 美しいシーンの記憶とともに、その人の名を口にする。 ライバルとして鎬を削ったプロストやジャン・アレジ。 1994年、王座についたシューマッハー。 憧れの感情を抱きマシンを駆るバトンやアロンソ――。 この世界の住民たちに、彼は何を残したのだろうか。 19年前の5月1日、この世を去った“音速の貴公子”アイルトン・セナ。 Number824・825号に掲載された追憶のストーリーを特別に全文掲載します。 1994年、フォーミュラ・ワンのひとつの時代が終わった。美しく壮絶なひとつの人生に幕が下ろされ、F1はその後何年も喜怒哀楽の感情を失ってしまった。 しかし時が流れたいま、振り返ると、何も終わってはいないという思いが強くなる。アイルトン・セナは5月の陽光のなかで突然、誰にも別れを

    アイルトン・セナは永遠に~英雄がF1に残したもの~(今宮雅子)
  • 入団か否かで試される西武の度量。“房総のダルビッシュ”は消えるのか?(中村計)

    千葉国際高等学校では1年夏から活躍していた相内。刑事処分が決まり次第、一刻も早く球団と協力しながら更生に励んで欲しい。184cm、73kg。 それにしても似ている。ダルビッシュ有(レンジャーズ)に、だ。それが千葉国際高校の相内誠を取材したときの第一印象だった。 ハーフという境遇。痩せて背の高いスタイル。きれいな真っ直ぐ。コントロールの良さ。変化球を巧みに繰る器用さ。クレバーさ。人懐っこいところ。怠惰なところ。そして、やんちゃなところも。 相内は3年春の千葉県大会の準々決勝で腰痛が再発し、腰に負担のかかる140キロ台のスピードボールやフォークを封印し、ほぼぶっつけ番でシンカーを用い、好投したことがある。 「あのときはいかに遅い球で抑えるかがテーマだった。左バッターが多かったので、外に逃げるシンカーが有効かな、と。打撃練習のときに遊びで使ったことがあったんで。そうしたらはまってくれましたね」

    入団か否かで試される西武の度量。“房総のダルビッシュ”は消えるのか?(中村計)
  • 真のF1ドライバーは衰え知らず……。小林可夢偉に「ブランク」の影響は!?(尾張正博)

    グランプリのコース上、ひとり佇む可夢偉は何を思う――。その熱く、クリエイティブな走りを、世界中のF1ファンがもう一度見たいと願っている。 ある元F1ドライバーに「1年間、レースをしないというブランクは、F1ドライバーとしてどれくらいのハンディキャップになるのか?」と尋ねたことがある。すると、その元F1ドライバーは、こう答えた。 「1年間だったら、問題ない」 その言葉が嘘でないことは、何人かのF1ドライバーが浪人生活を経て、再びレースシートを獲得している事実が物語っている。その中のひとりが、フェルナンド・アロンソである。 アロンソがF1にデビューしたのは'01年。それでも、アロンソのF1活動は最初から順調だったわけではない。 デビューイヤーに所属していたミナルディというイタリアのチームは慢性的に資金難に陥っており、'01年のマシンの戦闘能力は著しく低かった。その典型的なグランプリがチームにと

    真のF1ドライバーは衰え知らず……。小林可夢偉に「ブランク」の影響は!?(尾張正博)
  • 新春恒例! 「もつ鍋わたり」店主の2013年プロ野球“直球”大予想。(村瀬秀信)

    プロ25年目の谷繁は、FA権を行使せず、昨年末に1億9千万円で契約更改。「阿部(慎之助/5億7000万円更改)より4億円ほど少ない金額で(判子を)押しました」と笑いながら中日での活躍を誓った。 新年、あけましておめでとうございます。 新しい年を迎え、気持ちも新たに3カ月後に迫ったペナントレース開幕に思いを馳せる今日この頃。野球なき正月のテレビ番組と型にはまったおせち料理に飽きてきたら東京・国分寺。北口のうら寂しい路地の一角にある、もつ鍋の名店「もつ鍋 わたり」がおススメ。 ここの店主・中野渡進氏は元横浜ベイスターズ中継ぎ投手にして、木塚コーチの高校の後輩・弥太郎投手に伯父貴と慕われる存在。この度、編集部に届いた年賀状の中に「野次馬ライトスタンドは口の悪いもつ鍋屋の記事だけでいいです」との要望が混じっていたので、今回は中野渡進氏による2013年プロ野球展望をお届けする。 キャプテンサンタを愛

    新春恒例! 「もつ鍋わたり」店主の2013年プロ野球“直球”大予想。(村瀬秀信)
  • 世界中が可夢偉の離脱に「ノー!」。F1界はスポーツからビジネスへ。(尾張正博)

    鈴鹿で日人最高位タイ記録となる3位入賞を果たした時の可夢偉。この笑顔が再びポディウムの上で見られる日は来るのか……。 「可夢偉に関して、少し述べたいと思います。 この3年間、可夢偉はドライバーとしてコース上でアグレッシブに戦ってくれただけでなく、人間としても当に素晴らしい性格の持ち主で、最高のチームプレーヤーとして献身的に仕事をしてくれました。チーム全員が彼のことを尊敬しており、日での表彰台は私たちにとって非常に感動的な瞬間でした。それゆえ、私たちにとって今回の判断が簡単な決断ではなかったことを理解してほしいのです。 私たちは、新たな旅立ちを行う必要があり、可夢偉と過ごす時間はシーズン終了をもって終わりを迎えることになりました。可夢偉の今後の活躍を願っています」 これはザウバーが来季の2人目のレギュラードライバーを発表した11月23日に、ザウバーのチーム代表であるモニシャ・カルテンボ

    世界中が可夢偉の離脱に「ノー!」。F1界はスポーツからビジネスへ。(尾張正博)
  • <日本卓球の至宝、覚悟の告発> 水谷隼 「世界の卓球界を覆う違法行為を僕は決して許さない」(城島充)

    若くして日の卓球界を担う稀代の天才プレーヤーは、 ある世界的な“不正行為”の犠牲となり、苦しんできた。 違法な用具を使うことなく、ただ、フェアな条件で戦いたい。 卓球という競技の未来のため、選手生命を賭け、問題提起する。 日の丸を背負って北京、ロンドンと2度の五輪を戦った水谷隼。 Number815号に掲載された勇気ある告発を全文公開します。 僕はこれから、選手生命をかけて卓球界に横行している不正行為と戦っていきたいと思っています。もちろん、アンフェアな状況への憤りがあるからですが、それだけが理由ではありません。このまま不正行為を放置すれば、卓球というスポーツの未来にも暗い影を落としていくという危惧が心の底にあるからです。 「補助剤」をラバーの裏側に塗ることで、大きく変わる打球の質。 卓球をしている人なら「補助剤」、英語で「ブースター」と呼ばれる液体のことは聞いたことがあると思います。そ

    <日本卓球の至宝、覚悟の告発> 水谷隼 「世界の卓球界を覆う違法行為を僕は決して許さない」(城島充)
  • ベイスターズは変わったのか――。涙にくれた2012年を総括する。(村瀬秀信)

    あ゛……。 巨人・矢野謙次の放った打球がレフトへ高々と上がった瞬間、最後まで声を張り上げていたレフトビジター周辺の空気は、一年前とまったく同じように凍りついた。 10月7日東京ドーム最終戦は、長野久義の代打逆転サヨナラ満塁ホームランで終戦した去年に続き、2年連続サヨナラホームランでの幕切れとなった。しかも今年は、東京ドーム主催試合0勝という前代未聞のおまけ付き。 止まった時間の中で、巨人ファンが勝利の凱歌を挙げながら、オレンジのタオルを振りかざす。それらは、ベイファンから漏れる一斉のため息で、はたはたはたはた、たなびいていく。その光景は、まぎれもない、地獄。 試合自体は悪い試合じゃなかった。9回までは先発の加賀美希昇が熱投、マウンドに来ようとするデニーコーチ(友利結)を逆に睨み返すような気合で再三のピンチを乗り切ると、9回表には無死一塁で筒香嘉智に送りバントをさせて勝利への執念も見せる。だ

    ベイスターズは変わったのか――。涙にくれた2012年を総括する。(村瀬秀信)
  • 西武を演説で奮起させたC・カーター。熱パに轟く“文武両道”助っ人の咆哮。(加藤弘士)

    米国屈指の名門・スタンフォード大学を3年で卒業した超インテリ助っ人外国人、クリス・カーター。熱き闘志と並はずれた頭脳で好調レオ軍団を支える。 まるで大統領のような名演説だった――とは、言い過ぎだろうか。 8月23日、埼玉県営大宮公園野球場。西武・ソフトバンク戦のプレイボール前の出来事だった。西武は主将のリードオフマン・栗山巧が左尺骨骨折で離脱し、若鷹軍団には2連敗中と暗雲が垂れ込めていた。そんな中、シートノックを終えた三塁側ベンチで、首脳陣やナインを前に熱弁を振るう男がいた。 声の主は、新助っ人のクリス・カーター、その人だった。 「勝者と敗者の間には、1センチの差しかない。俺たちはチャンピオンを目指すチームだ。きょうはチャンピオンのように闘おう。チャンピオンは、あきらめない」 山田通訳によって訳されると、西武ナインの肉体が火照った。勇気がみなぎり、活気が出て来た。 主砲・中村剛也の先制2ラ

    西武を演説で奮起させたC・カーター。熱パに轟く“文武両道”助っ人の咆哮。(加藤弘士)
  • プロ野球観戦中の事故は誰が悪い?日米比較で考える、野球場の安全性。(中村計)

    シカゴ・カブスの拠地リグレー・フィールドの観客席。今でも手動のスコアボードで、フェンスにはツタが絡まる(ツタでボール紛失は2塁打)。名物オーナーの「野球は太陽の下でやるものだ」との言葉で長らくナイターも無かったなど、球場運営の信念の塊のような、名ボールパークである。 ネクストバッターズサークルの選手が、手を伸ばせば届きそうな距離にいた。 死人が出るのではないか――。 それが、シカゴ・カブスが拠地とするリグレー・フィールドで初めて野球観戦をしたときの感想だった。 というのも、内野フェンスは選手の腰ぐらいまでの高さしかない上に、ファウルゾーンはほとんどない。にもかかわらず、防球ネットはバックネット以外ないのだ。 原っぱにある超豪華な草野球場。そんな印象である。 メジャーの「広い空き地みたいな」球場は日より安全なのか? リグレー・フィールドは、メジャー全30球団のホーム球場の中ではボストン

    プロ野球観戦中の事故は誰が悪い?日米比較で考える、野球場の安全性。(中村計)
  • 「アツいぜ!チケット」返金続出で考えさせられた“ファンのあり方”。(鷲田康)

    「最高のプレーをしても『金を返せ』と言われるんじゃ選手のモチベーションが下がるだけだよ」と語った中畑清監督。ただし、この企画のネタでスポーツ新聞の一面を飾るなど、宣伝効果は抜群だったという声も……。 スポーツ紙の記者になったころ、一番嫌だったのはナイターシーズンの内勤仕事だった。 ナイターをやっているときに、会社で細かいメモなどの原稿や写真のキャプションを書くのが役割だが、実はもっと大事な仕事が待っていたのである。 それは巨人が負けたときの苦情電話の処理係だった。 会社に入った当時は、まだ各部署がダイヤルインではなかった。代表番号(これが新聞には必ず載っているから始末が悪い!)にかかってくる電話を、交換台のお姉さまたちがつないでくれるシステムだった。ナイターで巨人が負けたときにはデスクの脇のいくつかの電話が“苦情専用”となって、試合終了直後からひッきりなしに鳴り響くのである。 「読者からで

    「アツいぜ!チケット」返金続出で考えさせられた“ファンのあり方”。(鷲田康)
  • 日本ハムが貫いたドラフトの信念。菅野騒動で問われる球団の姿勢。(中村計)

    津田敏一日ハム球団社長が菅野の指名権獲得を確認した瞬間。「スカウティングと育成で勝ち続けるのが、ウチのモットー」と胸を張った津田社長 当にそうだろうか。 先日のドラフト会議で、日ハムが東海大の菅野智之を先方に何の断りもなく指名したことについて、一部の関係者が「失礼だ」と憤慨しているという。 しかし、指名する場合、事前に監督等に連絡を入れるのは「礼儀」ではない。あくまで球界の単なる「慣習」だ。 どのような展開になるのかもわからないのに、指名するであろう選手にいちいち連絡を入れていたのではキリがない。おそらく今年も、何の連絡もないままに指名を受けた選手は菅野だけではないだろう。 そもそも日ハムでは、ドラフト当日まで、誰を指名するかを知っているのはGMを始めとするほんの数名の幹部だけだ。 日ハムのスカウト、岩井隆之が明かす。 「僕は横浜でもスカウトをしていたんですけど、日ハムにきてび

    日本ハムが貫いたドラフトの信念。菅野騒動で問われる球団の姿勢。(中村計)
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