ここ数年、銭湯がテレビや雑誌で取り上げられることが増え、ちょっとしたブームとも言えるが、反面、廃業する店は依然として後を絶たない。銭湯の数が最も多かったと言われる1968年、都内には2600以上の銭湯があったが、2016年には約600件にまで数を減らした。背景には客離れや経営者の高齢化、後継者の不在などの問題がある。 銭湯に、内風呂にはない価値を 高度成長期から内風呂が急激に普及(総務省「平成20年住宅統計調査」によると、住宅の浴室保有率は95.5%)して以降、業界は普段使いでなくなった銭湯に、内風呂にはない価値を見出す、または作り出していくという課題と向き合っている。 1990年代後半から2000年代前半にかけてブームとなった「スーパー銭湯」は、健康ランドよりも安価に、かつバラエティーに富んだ設備を楽しめることで「お得感」や「レジャー感」という新しい価値を生んだ。他方、しばしば雑誌やテレ
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