景気回復で人材採用は売り手市場。思うようには採用できない。とすれば、「今いる社員」を活性化することが業績を伸ばすカギだ。にもかかわらず仕事の現場で時として「危ない部下」がキバをむき、対応に苦慮するケースが少なくない。 経営者は「危ない部下」をどう見分けたらよいのか。またいったんトラブルを抱えた社員を立ち直らせ、戦力化するにはどうしたらよいのか。さらに「危ない部下」を作らないためにはどうしたらよいのか。 社員を三つのタイプに分けて、対処法を考察する。 企業は仕事のできる有能な社員に業務を任せ、大きな裁量を与える。だが、それが行き過ぎると、チェック機能が働かなくなることがある。例えば、「期末で営業成績が目標に達していない時、いつも頼りになる社員がいた。信頼して権限を大きくしていたら、いつの間にか、利益を大幅に削った受注を繰り返して、数字を作っていた」「会社の資産運用を任された社員がミ