<追跡> 参院選の民主党大敗を受け、菅政権の政策決定システムが大きくぐらついている。菅直人首相は11年度予算編成へ向け、政府内調整を仙谷由人官房長官に一元化し、国家戦略室の機能を縮小する方針を打ち出した。しかし、鳩山内閣の官房副長官として「国家戦略局」構想を推進した松井孝治・党政調副会長が16日、ツイッターで公然と首相批判を展開。少数与党となった参院で野党の協力を得る道筋をつけるどころか、政府内の意思決定をめぐる対立が表面化し、菅首相の求心力低下を示す形となった。【野口武則、坂口裕彦】 「従来の自民党内閣と同じじゃないですか。官邸主導の予算編成が国家戦略局構想の肝なんです」 松井氏は16日夕、首相官邸を訪れ、菅首相に詰め寄った。首相は「決して財務省主導に戻すわけではない」となだめたが、松井氏は納得しなかった。 「政治主導の目玉」として民主党が09年衆院選マニフェストで掲げたのが国家戦略局構