大手商社連合が、企業の新卒学生採用を遅らせる提言をした。だが、この提言に対して八方から異論が噴出している。グローバル採用が増える今、自由競争を望む声も上がる。 三井物産や三菱商事などの大手総合商社7社が日本経済団体連合会に対し、2013年入社の新卒採用活動から開始時期を現在の4月から遅らせ、夏以降から始めるべきだと提言した。 だが、人材市場ではこの提言に対する異論が噴出している。 提言の目的は、大学生が学業を優先できるよう、4年生の夏までは就職活動を控えて学業に集中させるというもの。この提言に対して、当の産業界では思いのほか議論の熱が上がっていない。むしろ、実現は不可能という白けた空気が流れている。日本経団連では採用に関する倫理憲章を掲げており、会員企業は原則として、従うことになっている。この倫理憲章を作る委員会に参加する、ある企業の担当者は語る。 「正直、迷惑な話。商社は学生から人気が高