岩手県の陸前高田市から京都に届いた薪=11日午後、京都市役所、高橋一徳撮影 京都の「五山送り火」で、東日本大震災で津波になぎ倒された岩手県陸前高田市の松でつくった薪(まき)を燃やす計画は11日、大文字など五山がそろって受け入れることで決着した。一部の市民から放射能への不安を指摘され、一度は消えた送り火計画。京都市側は胸をなで下ろす一方、被災者からは反感の声も聞かれた。 「被災者の方々を振り回し、申し訳ない。長い歴史のある五山が協力して慰霊したい」。いったんは中止を決めた大文字保存会の松原公太郎理事長(58)は、受け入れ決定後の会見で理解を求めた。現地で「迎え火」として燃やした薪333本に書かれていた被災者のメッセージを護摩木に書き写す作業も始め、「石にかじりついてでも、送り火までに書き上げる」。 門川大作・京都市長も定例会見で「五山がそろい、感謝の気持ちでいっぱい」と安堵(あんど)の