ニートの若者らを支援しているNPO法人「育て上げ」ネット(東京都立川市)の工藤啓理事長(34)が、7月から8月いっぱいまで2か月の予定で「育児休業中」だ。(大津和夫) 団体や企業のトップは育休制度の対象外だが、男性の取得率が1・38%と低迷する中、育休を取るのは珍しい。専門家は、子育てをしやすい職場作りが進み、業務を見直すきっかけになる、と意義を強調している。 おむつの取り換え、授乳、洗濯、買い物、食事、炊事、風呂……。工藤さんの1日のスケジュールだ。仕事と言えば、週1度、インターネット電話サービスを使っての会議に参加するぐらい。同じ団体で働く妻は産休中。工藤さんは、子どもをあやしながら、「成長を間近で見られるのは楽しい」と充実した様子だ。 育休を取ったのは、産後間もない妻の体調への気遣いや子育てにかかわりたいという、夫や父の思いだけではない。経営者としての思いも強かったという。団体