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ブックマーク / kamiyakenkyujo.hatenablog.com (141)

  • つるけんたろう『0円で空き家をもらって東京脱出!』 - 紙屋研究所

    空き家が全国的に問題になっている。 ぼく自身、全然別の件で全国の「空き家条例」について調べる機会があって、以来、空き家を見るたびにその再生について物思いにふけってしまう。 空き家が「問題」になってしまうのは、たとえば年老いた親が住んでいたが亡くなり、子どもが継がないといけなくなったのだが、子どもはもう全然別の土地で生活していて、今さら解体するものカネがかかるし、更地にしちゃうと税金が逆にアレになってしまうという妙な事情があって、そのままにして……というようなケースだ。 そういうのを聞けば「その空き家にオレが住みたい」と思っている人間もいるんだろうから、どうにかうまくマッチングできないものか、という気持ちがわいてくる。 自治体でそういうサービスをやっているところもあるんだけど、やっぱり「所有者」目線っつうか、土地や家を何とかするカネをもっている人と売りたい人を引き合わせるみたいなサービスが多

    つるけんたろう『0円で空き家をもらって東京脱出!』 - 紙屋研究所
    zakinco
    zakinco 2014/09/10
  • 大塚玲子『PTAをけっこうラクにたのしくする本』 - 紙屋研究所

    きょうはPTAの地域ブロックレベルでの研究集会である。ぼくは小学校のPTAの広報副委員長になったので、出なければならなくなった。仕事を休んでの参加である。 「仕事を休んでまで参加かよ」と聞くとぞっとするが、副委員長になるさいに「年1回、これだけはどうしても」とお願いされていたので、やむをえない。「他の会議は出なくてもいいから」と委員長にいわれて、休ませてもらっている。 PTAは、役員と委員はちがう。委員というのは各クラスの係のようなもので、うちの学校ではクラスごとに7〜8人がなる。広報だのベルマークだのといったイベントごとには忙しくなるが、ふだんはそうでもない。役員は学校全体のとりまとめ役であり、忙しさがまったく違う。 ぼくは、その中間。委員の中での取りまとめ役である。 一般の広報委員は、ほとんど何か1つのイベントに参加して写真や記事をかけば終わりである。正直、楽である。ところが、副委員長

    大塚玲子『PTAをけっこうラクにたのしくする本』 - 紙屋研究所
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    zakinco 2014/08/20
    『青少年の犯罪は目に見えて激減』『不自然なまでに増えているのが高齢者の犯罪』『人口増では説明のつかないスピードで急増』『地域組織は一律の「青少年健全育成」などをやっている場合ではない』
  • 議事録に残るヤジのこと - 紙屋研究所

    都議会のヤジが問題になっている。 東京にいたころ、国会や都議会を傍聴した。国会のヤジは有名であるが、都議会のヤジもかなりひどかった。自民・公明がひどいという印象があって、共産が質問しているときは、聞き取れないこともしばしばあった。 ところが福岡市に来てびっくりしたのは、市議会でほとんどヤジがないことである。特に自民党・公明党は一言もヤジを発しない。きわめて「紳士・淑女」なのである。 というか、東京は総じて地方議会がヤジに寛容であった。 ぼくが初めてそのことに気づいたのは、議事録を読んでいるときだった。 議事録にほとんど残らない福岡市 実は、ヤジは議事録(会議録)に記録されることがある。 「発言する者あり」「……と呼ぶ者あり」などと記されているのがそれだ。 福岡市議会の場合は、これがほとんどない。 唯一あるのは 「異議なし」と呼ぶ者あり。 というフレーズだけである。 これが検索するといっぱい

    議事録に残るヤジのこと - 紙屋研究所
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    zakinco 2014/06/27
  • 偶数と偶数の和は偶数である・リベンジ - 紙屋研究所

    前回「偶数と偶数の和は偶数である」にちなんだ問題を、うまく教えられないという記事を書いたところ、ブログのコメント欄、ブックマークコメント、ツイッター、トラックバック、転載ブログ(ブロゴスなど)のコメント欄でたくさんの反響をいただいた。 偶数と偶数の和は偶数であることの説明 - 紙屋研究所 すべて読んだ。 辛口の意見もふくめて、深く感謝したい。 こういうとき、インターネットはとてもありがたいものだ。 さて、この問題、リベンジする機会があった。 毎週無料塾をやっているからである。 この中学生を仮にRくんと呼ぼう。 「要素の分解を」「具体的な数でイメージを」 Rくんへの教え方について、ネットでは 一つひとつ要素を分解してつまずきを発見しろ。 具体的な数でイメージを確立しろ。 という意見がかなり多かった。 前回の記事では端折っていたのだが、ぼくなりにやっていたつもりだった。しかし、ブコメなどを読ん

    偶数と偶数の和は偶数である・リベンジ - 紙屋研究所
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    zakinco 2014/06/10
    『もちろん、学校(公教育)で落ちこぼれないような体制をつくる、そのために予算を充当するのが本筋である。プロでないぼくらがやらざるをえないのは、あくまで緊急避難にすぎないことは承知している』
  • 竜田一人『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』 - 紙屋研究所

    「週刊プレイボーイ」のマンガ評「この漫画がパネェ!!!」で竜田一人『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』(講談社)について書いた。書のオビでも(小さく、だけど)紹介されている。*1 記録マンガとしてすぐれている ぼくは、『いちえふ』について、基的には記録マンガとしての素晴らしさを評価した。これはすでに多くの人が指摘している通りである。 映像=絵としての記録、というシンプルな意味である。 文字で読んだ原発のルポでは、空間的な認識をどうしても起こしにくい。30年以上前のルポである堀江邦夫『原発ジプシー』(現代書館)は後述するが大変すぐれた潜入ルポである。しかし、文字によって得られる空間イメージはやはりかなり制限される。ところどころ、作業の写真が載っているのだが、昔の写真であるためか、全体的に黒っぽくてわかりにくい。増補版p.164の写真など何がなんだかわからない。 竜田『いちえふ』では、

    竜田一人『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』 - 紙屋研究所
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    zakinco 2014/05/02
    『廃炉要員の技術継承と員数確保のためだけに再稼働しろと読める、この議論にはかなり無理がある』
  • 学校へ行きたくないという娘の理由 - 紙屋研究所

    大西巨人『神聖喜劇』の小説版につきあっている。 時間はかかるが、正面からやってみたい。 現在文庫版の3巻に入った。 さて、4月に小学校に入学した娘のこと。 昨日まで、学校での給の様子や字の書き順の話などを楽しげに報告してきたので昨夜娘が寝静まってから、つれあいと「うちの娘は大過なく学校に順応できて、まずはよかったね」などと話しあっていた。 ところが今朝になって、お腹が痛いと言い出した。気で痛がっているふしがない。がんばっていこうよとなだめすかすが、うじうじしている。 思い切って「なんかヤなことがあったの」と聞くと、「あのね、いじめとかじゃないけどね」などと言い出す。「学校に行きたくないというのはいじめのサイン」みたいな定式が娘の頭にあるのだろうかとびっくりした。「あのね、いじめとかじゃないんだけどね」と言うのでどんな言葉が続くのかと固唾をのんで待っていると「学校の帰りに、前を歩いている

    学校へ行きたくないという娘の理由 - 紙屋研究所
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    zakinco 2014/04/19
  • 生活保護の不正受給と相続税の非違件数 - 紙屋研究所

    福岡市が5月くらいから「生活保護ホットライン」っていうのをはじめるそうだが、「市民からの保護を要する人に関する情報」っていうのはいいんだけど、「生活保護に関する不正行為等の情報」「その他の生活保護の情報(アルコールやギャンブルなどによる生活の乱れ等)」っていうのはひどい。 市議会で共産党議員が質問している。 https://www.youtube.com/watch?v=ntfuyjOlgFI#t=55m15s 「生活保護世帯は酒飲んだらダメなの?」「ぜいたくな事をしてたり、立派な服を着てるのも通報対象になるの?」「そもそも誰が生活保護受けてるか、市民は知らないはずでしょ。守秘義務があんのに。いい加減な情報集めるのに公金使うわけ?」とか聞いている。 「ええっと、電話で正しい知識も普及できますんで」とか、答弁してるけど、相当苦しい言い訳だな。市民監視で、生活保護世帯を「二級市民」扱いして、

    生活保護の不正受給と相続税の非違件数 - 紙屋研究所
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    zakinco 2014/04/08
  • 屋代尚宣『黒田官兵衛と宇都宮鎮房』 - 紙屋研究所

    NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の視聴率が急落だそうである。 http://npn.co.jp/article/detail/70028087/ 観てない? いやぼくも観てないけどね。娘と「ダーウィンが来た!」を観た後観ようととすると娘から「消して!」と言われる。むりやりスイッチを切られる。ドラマ一般が「こわい」からである。とりわけ時代劇は。 そもそも多くの人にとって「クロダカンベエ? なにそれうまいの?」という状態ではないのか。そういう非常識・非国民な手合いのために、おれがひとつ黒田官兵衛まめ知識をさずけてやる。 黒田官兵衛というのは、兵庫県あたりの土豪だったんだけど、中国地方に攻めてきた織田信長、その家臣だった豊臣秀吉(当時は羽柴秀吉)の軍師、まあ参謀みたいなもんになって、その後秀吉の天下統一を大いに助けた、そういう人物だとされている。 まめ知識おわり。 「黒田官兵衛」の人生のどこにドラ

    屋代尚宣『黒田官兵衛と宇都宮鎮房』 - 紙屋研究所
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    zakinco 2014/04/05
    『行政が主体でつくったにもかかわらず、大河ドラマの英雄の「汚点」に斬り込み、なおかつギリギリのリアルな解釈をしているからである』
  • 行政職員は行政への請願を知らない - 紙屋研究所

    娘が保育園を卒園し、そこの保育園の存続が問題となっていることは前回のエントリで書いた。 文書にして出すということ - 紙屋研究所 今回はもう一点、そこに関連して雑感で思ったことを。 結論から書いておくと、行政に要望を文書で出す、一番簡単で一番普遍的な方法は請願だということ。そして、行政側から回答をもらう場合もこの請願を活用できる場合があるということ。何よりも、行政職員自身がこの「行政への請願」を知らないことが多いということだ。 前回のエントリについて、「文書で出すなんて社会人の常識だろ」という意見があったのだが、一定規模の企業じゃないとそうでもないんだな。しかも文書化が「常識」になっているはずの企業や事業所に通っている親御さんたちが集まっていても、いざ行政にモノを言うとなると、意外と文書ということに思いを致さなかったりする。 そして何よりも、「国又は地方公共団体の機関に対して文書で希望を述

    行政職員は行政への請願を知らない - 紙屋研究所
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    zakinco 2014/04/04
    『請願権は、署名に見られるように、実は運動している人たちにとってはもっとも身近で、もっとも手軽に使える“武器”』『なのに、あまり活用されている様子もないし、そのための手続きも発達していない』ふーむ
  • 文書にして出すということ - 紙屋研究所

    娘が保育園を卒園した。 0歳児から6年間預けた。子どもは一人しかいないので、おそらくこれで保育園とはおさらばだろう。 保護者会の会長を最後の1年間つとめた。 園の存続が大問題になり、ぼくとしてはこれに明け暮れた1年だった。いったい保育園が消えてなくなるかもしれない、という事態なのに、「保育の向上」を組織目的にかかげる保護者会が何もしなくてどうする、というのがぼくの思いだった。 今はまだ詳しく書けないが、かなりのことができたと思う。しかもそれはぼくにしかできないことでもあった。支えてくれる人がたくさんいて、心底うれしかった。 組織体としてもPTA的形骸化が進みつつあった中で、久しぶりに自主的な運動の息吹をとりもどしたと感じた。 この運動の中で感じたことは、「文書にして意思を示す」ということの大事さだった。特に、お役所との関係では、決定的である。 地域(地元の町内会のようなもの)に要請というか

    文書にして出すということ - 紙屋研究所
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    zakinco 2014/03/22
    『他の保護者から、半ば呆れた感じで「紙屋さん、よくもこういう文書がスラスラ出てきますね」と言われたとき、ごく特殊な能力だろうなと自嘲せざるをえなかった』文書の書き方を公開して欲しい
  • 【書評】山田ズーニー『働くためのコミュニケーション力』 - 紙屋研究所

    理想的な風景としての「擦り合わせ」 保育園のパパ友は、よく転職している。 仕事が長続きしないというのではなく、ヘッドハンティングに近い状態で「辣腕営業」としてときどき会社を移っているのである。 そのとき、転職先と労働条件をかなりすりあわせている。 「労働条件」といえば、給料や労働時間みたいなことがすぐに頭に思い浮かぶ。そういうことはもちろんなのだが、それだけではない。仕事の内容、やってほしいこと、職場の人間関係、派閥、改革で苦労していること……そういうことまでを社長が呑みにつれていってくれて、話しあうという。 いわば、雇う側がやってほしいことと、雇われる側がうまくマッチしているかどうかを細かくすり合わせているのである。い違いがあればそこを埋めるか、そのあたりを覚悟のうえで雇う(雇われる)か、どちらかになる。 地方の老舗の会社でこのままではゆっくり先細りになるだけだから、大きく変えたいのだ

    【書評】山田ズーニー『働くためのコミュニケーション力』 - 紙屋研究所
    zakinco
    zakinco 2014/03/20
    『若い人はなぜすぐ辞めてしまうのか、という問いには「大企業をのぞけばたいていの会社には労働組合がないからだ」「ある職場でも、まともに機能していないケースが少なくないからだ」というシンプルな答』
  • 『橋爪大三郎のマルクス講義』 - 紙屋研究所

    にゃかにゃか気持ち悪いであった。 微妙に合っているけど、微妙に(または大幅に)間違っているから。おまけにインタビュアーも、 はい。ちょっとかじり読みしたことを、知ったふうに口走ってしまいました。(書p.150) って何だよ。 たとえば橋爪のマルクス評価は「ニュートンに匹敵する」(書p.48)という高いものであるが、そう評価したすぐ後に、正規と非正規の問題、正社員と派遣労働者の問題、すなわち格差の問題は「こういうふうになっていない」(書p.49)というのである。なぜなら「マルクスのモデルは、同一労働同一賃金」(同)だからだと。 橋爪は別のところでもくり返しこの問題にふれていて、マルクスは「すべての労働は単純労働に一元化されていて、労働の質は無視されていて、時間で測れる」(書p.134)とか、「すべての労働は同一・同質で、複雑労働とか技術労働とかは一切ないと考える」(書p.154)

    『橋爪大三郎のマルクス講義』 - 紙屋研究所
    zakinco
    zakinco 2014/02/05
    『「賃金は労働の報酬ではない。労働者が明日も元気に生活するためのおカネ」とマルクスは考えた。この混同は絶対やっちゃいけませんよ、とくり返し述べているのに、そのことには橋爪は何の言及もなしである』
  • 人工知能学会誌の表紙のこと - 紙屋研究所

    くだんの人工知能学会誌の表紙の件。 人工知能学会の表紙は女性蔑視? - Togetterまとめ ぼくのスタンスは、基的にツイートで書いたとおり。 激萌えする。だが女性差別という批判もわかる。ぼくにも性意識の歪みってあるもん。どんな表現(とその支持)も大なり小なりの暴力性を含んでいるという自覚がないとマズいよね。 / “人工知能学会の表紙は女性蔑視? - Togetterまとめ” http://htn.to/4Pdyiw https://twitter.com/kamiyakousetsu/status/416368425619832832 この表紙、大好きである。 そして、その「大好き」という意識を分解してみると、性欲的なものが入っているかといえば入っている。セクサロイドまでまっすぐに想像することはなかったけど、それにつながっているものはあった。 他にも「美人」とか「スレンダー」とかいう

    人工知能学会誌の表紙のこと - 紙屋研究所
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    zakinco 2013/12/29
    『表現はどれほど俗悪であっても、他人の権利をおびやかすまでギリギリ自由であるべきだ。もちろん批判も自由である。それが長い目で見て社会を民主主義的にし、健全にする』「ブラック」企業呼称問題にも通じる
  • 中川剛『町内会 日本人の自治感覚』 - 紙屋研究所

    1980年に出たで、今では新刊として手に入らない。 ぼくも図書館で借りて、その後、古として購入したものである。 古についていたオビが非常に要領よく書の問題意識をまとめているので、そのまま紹介しよう。 昭和二十二年訓令によって廃止された町内会は、三月後にはその八割が復活した。アメリカが自国の自治の理念を日に移植しようとした試みは成功したといえるのだろうか。内務省と占領軍民政局との間の交渉過程は、そのまま日米両国の社会構造と人間関係の規範の原理的差異を浮かび上がらせた。戦後史を通じて日蔭の位置にあった日伝来の隣保組織のなかに、借り物ではない自治の可能性を虚心に探り求めた犀利な日社会論。 占領軍が想定した地方自治を、英米型の地方分権モデルだとして独立した近代的個人が市町村レベルで地方政府を形成するというものだとしたうえで、「廃止」されてもなお残った町内会・部落会に良くも悪くも日

    中川剛『町内会 日本人の自治感覚』 - 紙屋研究所
    zakinco
    zakinco 2013/12/25
    『自治会はあくまでボランティアでなければならない』同意
  • 竹信三恵子『家事労働ハラスメント 生きづらさの根にあるもの』 - 紙屋研究所

    家事労働と聞いて、「あ、おれ関心ない」という男は多いだろう。ぼくもそのクチであった。著者も苦労したらしい。書の発端となる連載には反響も大きかったのに、 出版社へ企画を持ち込むと、反応はさっぱりだった。(書p.234) 家ではカミさんに感謝しているぜ、という男性社員。私は働いているから関係ない、という女性社員。家事労働なんていう地味な話題はやめろ、これからは女性進出の時代だよ、という後輩。「家事労働の」と聞いてイメージする消極的な反応にとりまかれたのである。 正直、ぼくも「専業主婦の働きをお金に換算して評価する話」みたいなイメージが強くて、「ふーん…」という感じになってしまっていた。ふーん現象。 家事労働の在り方が私たちの会社での働き方や社会政策にまで広く影響を及ぼすのだと力説しても、「料理や洗濯がなぜ会社の仕組みや福祉制度に関係あるんですか?」と首をかしげられた。(同前) 結論めいた

    竹信三恵子『家事労働ハラスメント 生きづらさの根にあるもの』 - 紙屋研究所
    zakinco
    zakinco 2013/11/25
    『本書は、この家事労働が、いまの社会でいかに「ないこと」にされているかを、さまざまな問題、さまざまな角度からルポしている』
  • 國分功一郎『来るべき民主主義』 - 紙屋研究所

    このは簡単に言えば、行政に対する国民のコントロールの強化を訴えているである。 立法権だけでなく、行政権にも民衆がオフィシャルに関われる制度を整えていくこと。これによって、近代政治哲学が作り上げてきた政治理論の欠陥を補うことができる。(國分p.17-18) なんだそれは。そんなは山と出ているではないか。と思うかもしれない。 ぼく自身、そのあたりの目新しさがどれほどのものなのかは正直よくわからない。 著者・國分功一郎がいいたいのは、近代民主主義の主権という考え方は、立法権を中心に成り立っているけども、それはタテマエにすぎず、実際には行政がいろいろ決めているから、行政に主権の関与が及ぶような改革を積み重ねていくべきだろう、ということなのだ。 まあ、これだけ聞いても、ふーん、としか思わないだろう。 うん。ぼくもこれだけの主張のだったら、買わなかっただろう。 新鮮な目で社会運動を見つめ直した

    國分功一郎『来るべき民主主義』 - 紙屋研究所
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    zakinco 2013/11/11
    『行政のチェック役としての議会の改革を』
  • 自分の商品価値を落とさないためだろ - 紙屋研究所

    ちきりんが「ネットでは議論しない」と言っているんだけど、 http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20120813 その理由は“議論して結論を一つに決めるのは多様性の否定だから”ということだそうで…。 単純に、ちきりんが議論しない=体サイトのコメント欄を非表示にして、はてなブックマークの表示にも厳しく制限をかけているのは、自分の商品価値が落ちるからだろ。 ちきりんがツッコミどころ満載の極論を書く。 普通はコメント欄が燃え上がる。いや、炎上はまだ「極論」を商売とするうえではいいかもしれないけど、はてなブックマークのコメントになると嘲笑に近くなる。 そういうものがエントリといっしょに出てくると、もう極論を売りものにしているというより、ただの珍論、頭の悪そうな意見になってしまう。 自分の商品価値が下がる。 そういう商品の見せ方が嫌なんだろ。 あえてちきりんの議論に乗ってみ

    自分の商品価値を落とさないためだろ - 紙屋研究所
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    zakinco 2013/11/09
  • 國分功一郎・古市憲寿『社会の抜け道』 - 紙屋研究所

    革命と改良 社会問題の解決、ということについて、古市と國分が語り合っている。一言で言って、國分が論じて古市が突っ込んでいる。だから國分のだといえる。このは社会問題の解決、ということがテーマで、オビにあるように、「あらゆる社会問題は『解決』しない。けれど、必ず“抜け道”はある」ということが主張の核になっている。 そして…なぜか書には随所にマルクスが登場する。そんなに必然性があるとは思えない箇所にいろいろマルクスが。マルクスが社会問題の解決として意識されているのだ。まあ、國分がドゥルーズがどうした、フーコーがこうした、と言っている哲学者なのだからその前提になっているマルクスが「チラッチラッ」と意識されて当然なんだけど。 ということは、そう、これは「革命と改良」をめぐるだといえる。 「革命と改良」はマルクス主義では古くからあるテーマだ。 改良を積み重ねて社会を改革するのか、それとも革命

    國分功一郎・古市憲寿『社会の抜け道』 - 紙屋研究所
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    zakinco 2013/10/24
    『現場で実践を重ねてきた人たちがたどりつくものは、多くは「陳腐」で、飽き飽きする日常』
  • 本を出します 『超訳マルクス』 - 紙屋研究所

    を出すことになりました。 『超訳マルクス ブラック企業と闘った大先輩の言葉』(かもがわ出版)です。 http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/ta/0645.html 超訳マルクス ブラック企業と闘った大先輩の言葉紙屋 高雪 かもがわ出版 2013-10-25 売り上げランキング : 7693 Amazonで詳しく見る by G-Tools カール・マルクス著、紙屋高雪訳、ということです。イラストがかなり使われていて、文以上に印象に残るかもしれませんが、加門啓子さんにお願いしています。10月中・下旬に書店に並ぶと思います。 ほぼ国際労働者協会(第一インタナショナル)関連でマルクスが書いたりしゃべったりした文章ばかりです。 働いてるおまえらに聞いてほしい(国際労働者協会創立宣言) 金持ちの相続権なくせば世の中かわるのかよ(相続権についての総評議会

    本を出します 『超訳マルクス』 - 紙屋研究所
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    zakinco 2013/10/08
    これは読んでみたい
  • 映画「風立ちぬ」を批判する - 紙屋研究所

    宮崎駿監督の『風立ちぬ』を観た。お盆で帰省し、子どもを見てもらっている間に夫婦で。 ちょっと長くなると思うので、最初に結論書いておこうか。 恋愛要素は男目線で気持ちがノッた。 飛行機にかける夢についてはロジックがまったく詰め切れられておらず、面白くなかった。 零戦をつくった責任について無邪気すぎるという点が最大の批判点。 えーっとネタバレもありますから、読む人は承知して読んでほしい。 あらすじを知らない人はここを読まないだろうけど、一応。零戦(零式戦闘機)の設計者として有名な堀越二郎という実在の人物の半生を描き、それに堀辰雄の小説『風立ちぬ』のラブストーリーをまじえ、菜穂子という少女との恋愛をからめて虚構化した作品。 ジブリの公式のあらすじ解説はこちら。 http://kazetachinu.jp/story.html 恋愛要素は男目線で気持ちがノッた 菜穂子との恋愛は、(;゚∀゚)=3ム

    映画「風立ちぬ」を批判する - 紙屋研究所
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    zakinco 2013/08/18
    『「我々が生きている限り何か罪を負うのだから、それをいちいち断罪するのは馬鹿らしいことだ」というまことに子どもっぽい、裏返しの原理主義』『宮崎の思想的な敗北』今思えば宮さんは批判してほしかったのかなと