「重要な情報は、現在の情報システムでは得られない」。昨年亡くなった社会生態学者、ピーター・ドラッカー氏は、2002年の著書『ネクスト・ソサエティ』で喝破した。「現在の情報システムが与えてくれるものは社内の情報。成果が生まれるのは社外においてである」。 昨今の企業情報システムは、顧客という「外部の情報」を充実させたが、ドラッカー氏は「もっとも重要な情報は、非顧客についてのもの。変化が起きるのはノンカスタマーの世界である」と言い切る。 現行システムは内部情報なら何でも扱えるわけではない。受注業務一つとっても、営業活動や各種の調整作業があり、膨大な“情報処理”が発生している。にもかかわらず、現行システムが処理してきたのは、顧客名や受注金額など一部の情報に過ぎない。 今、企業の根幹を支える基幹システムは、「第2章」と呼び得る段階に進みつつある。それは事業(ビジネス)で成果を得るために必要な情報を存