『原子力資料情報室通信』第599号(2024/5/1)より 昨年(2023年)11月10日に開かれた日本活断層学会の秋季学術大会(九州大学・福岡市)で、中田高・広島大学名誉教授は渡辺満久・東洋大学教授との共同研究の結果として、廃炉・解体作業中の高速増殖原型炉「もんじゅ」の原子炉建屋の直下に活断層が存在する、と発表した。 有識者会合による異常な評価 「もんじゅ」の敷地内の破砕帯(粘土を挟む断層)については、「高速増殖原型炉「もんじゅ」敷地内破砕帯に関する外部有識者会合」が2017年3月15日付で評価書を出しており、「少なくとも後期更新世以降の活動はない」、すなわち、活断層ではない、と結論していた。 「もんじゅ」の原子炉建屋および原子炉補助建屋の直下で建設時には非常に多くの破砕帯が確認されている(図1)。 有識者会合では、おもな破砕帯の中から、最も長いa破砕帯(長さ70m以上、最大幅1.2m)