1.二重スリットの干渉実験で光子が二つの同一のスリットを通過するとき、個々の光子はそれぞれ物理的に非局在化して通過することを実際に実証できる新しい実験方法を提案しました。 2.ポイントは、光子の偏光を二重スリットの経路のプローブとしたとき、干渉パターンの測定位置で、偏光の大きさが偏光の反転確率で測定される点にあります。その大きさは二つのスリット経路間での連続量のゆらぎとなるため、偏光反転の観測から光子の非局在化を実証することが可能となります。さらにこのゆらぎの大きさは干渉パターンの測定結果に依存して変化することもわかりました。 3.この結果は、広く一般に受け入れられている「干渉パターンを測定したら量子の経路は分からない」や「波と粒子の二重性」が厳密には正しくないことを示します。この提案は従来の統計的な量子測定とは全く異なり、物理量を定量的に測定する量子測定の新しい側面を利用したものです。今