おとり捜査。その名は聞いたことがあっても、なかなか表に出ることのない内実が、佐賀地裁に提起された1件の民事訴訟から浮かび上がった。「犯罪グループの情報を警察に提供したのに、おとり捜査に利用された上、逮捕された」。強盗予備の容疑で昨年7月に逮捕(その後不起訴)された佐賀市の中古車販売業、Aさん(36)が今月、驚くような主張をもとに、県を相手取り、300万円の損害賠償を求めて佐賀地裁に提訴したのだ。その訴えは生々しい。 一見なんでもない事件だが…波紋呼んだ「告白」 《佐賀署は29日、強盗予備の疑いで佐賀市□□、指定暴力団山口組系組幹部、○○(35)ら5容疑者を逮捕した》 《調べでは、○○容疑者は4容疑者と共謀し、佐賀市内の無職男性(43)方に押し入り強盗をしようと計画。○○を除く4容疑者は、前日の28日午後3時ごろ、バールや目出し帽などを所持し、車で男性方に行った疑い》 《同署に『強盗を計画し