他人の気持ちを読み取るのが難しいなどの障害がある「自閉スペクトラム症」の人は、同じ障害の傾向を持つ人に共感できることを福井大、京都大などのグループが解明した。五日、英科学誌電子版に発表した。 自閉スペクトラム症は、自閉症やかつてアスペルガー障害と称された症状の総称。児童精神医学などを専門とする福井大子どものこころの発達研究センターの小坂浩隆特命准教授、京大の米田英嗣特定准教授、金沢大の棟居俊夫特任教授らは、自閉スペクトラム症の十五人に「人付き合いが嫌い」「興味の範囲が狭い」など自閉スペクトラム症の性質を示す文章と、「人と話すのが好き」など症状がない人の記述を繰り返し示した。 この間、磁気共鳴画像装置(MRI)で脳の活動を調べると、自閉スペクトラム症の性質を示す文章を読んだときは、共感に関わる脳の部位が活発に働いた。一般の人の性質には共感を示さなかった。病気の傾向が強い人ほど、また、共感の度