子どもが入院したとき、少なくない病院で家族が24時間付き添うよう求められている実態をご存知だろうか。医師の長時間労働が問題になっているが、外出もほとんどできない状態で、子どもにずっと付き添う親たちがたくさんいることは、なぜかずっと、おおやけの「問題」と認識されてこなかった。 子どもの付き添いが理由で、一日中病院から一歩も出ず、長いと月単位、年単位で病院で暮らしているような人もいる。子どもに付き添いたいと思っている親ですら、心身ともに体を壊したり、ほかのきょうだいとのつながりが破壊されたりしている。職を失う親もいる。「病気の子どもに付き添うのは家族の務め」という意識が、そうした実態を見えづらくしてきた。