アフリカ大陸北部のサハラ砂漠では、ソーラー(太陽光、太陽熱)や風力の大規模な発電施設が計画されている。これが実現すると、意図せず降雨量の増加と緑化に貢献する可能性がある──。そんな研究結果が最近報告された。 発電施設が地表にもたらす変化 メリーランド大学の研究者らによる論文が米学術誌「サイエンス」に掲載され、「ニューヨーク・ポスト」などが報じた。 メリーランド大のニュースリリースの中で、論文主著者のユージニア・カルネー博士は、大学院生時代の指導教官が提唱した「砂漠化のフィードバックメカニズム」が出発点になったとしている。過放牧により牧草が激減して地表の反射能(入射光に対する反射光の比。アルベド)が増加し、降雨量を減らし、その結果植生が減少するという悪循環を説明するものだった。 カルネー博士はその後、大規模なソーラー施設は地表の反射能を低減するので、反射能・降雨量・植生のフィードバックメカニ