タグ

ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (57)

  • 大谷翔平、ドジャースと「10年、7億ドル」契約の背景

    <移籍会見を通じて浮かび上がった巨大契約成立の舞台裏> 12月9日に大谷翔平選手は、FAによる移籍先をロサンゼルス・ドジャースに決めたと発表。球団もこれを公表し、現地時間14日(木)にはドジャー・スタジアムで入団記者会見が行われました。 9日の決定表明に際しては、野球専門局のMLBネットワークが通常の番組を全てキャンセルして特番を組み、連絡の取れたメジャーOBや野球評論家から次々にコメントを取りながら延々と報じていました。一般局でもCNNはニュース速報を流すなど、メディアとしては大きな扱いとなっていました。 今回の会見についても、東海岸に拠のあるMLBネットワークは、看板キャスターのグレッグ・アムジンガーとハロルド・レイノルズを、ロスに送り込み、会見場の外に特設ブースを設けて生中継をしていました。また、会見が終了した後には、共同オーナーのスタン・カステン氏がインタビューに応じていました。

    大谷翔平、ドジャースと「10年、7億ドル」契約の背景
  • バイデンの必死の仲介で、ガザ危機の出口は見えるのか?

    <異例のイスラエル訪問をバイデンに決断させた、米国内の不協和音と外交破綻の危機> それにしても、現地時間18日に行われたバイデン大統領のイスラエル訪問は異例づくめでした。何よりも戦争中の中東に米大統領が乗り込むというのは、極めて異例です。それ以上に、17日に起きたガザ地北部のアル・アハリ病院で起きた爆発事件バイデンの思惑を激しく揺さぶる中での訪問となりました。 順序としては、イスラエルのネタニヤフ首相からのバイデン訪問の招請が明らかなったのが、米東部時間の16日月曜で、バイデンはその日の夕刻までに訪問を決断、表明しました。同時にバイデンは、人道危機を回避する方策を協議するとして、ヨルダンでアブドラ国王の主催するエジプト、ファタハ(西岸地区を拠とするパレスチナ穏健派)を加えた会議に参加する予定でした。 そこへ病院の爆発事件が起きました。この病院を含むエリアに対してイスラエルは空爆を予告、

    バイデンの必死の仲介で、ガザ危機の出口は見えるのか?
  • フェミニズム映画『バービー』が政治的配慮の末に犯したミス

    <現代アメリカフェミニズムを前面に押し出しつつも保守派の攻撃を回避したのは見事だったが> 映画『バービー』が日でも公開されました。そのスタートは決して大ヒットという勢いではないようで、公開直後の興行収入ランキングでは「8位」となっているようです。原因としては、原爆ツイートの炎上もあると思いますが、日における女性の権利獲得という状況が、あまりにも遅れているということもあると思います。 日の場合は露骨な昇進差別、セクハラ、パワハラ、マタハラといった不公平な扱いなど、個別の戦いが切実という現実があると思います。そんななかでは、いくら女性の権利を主張したメッセージ性のある作品でも、個々の人への「刺さり具合」というのは、色々ということなのでしょう。韓国での苦戦と同様の構図があるのではないかと思われます。 それはともかく、この『バービー』は、2023年現在のアメリカにおける「フェミニズム」のメ

    フェミニズム映画『バービー』が政治的配慮の末に犯したミス
  • クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』を日本で今すぐ公開するべき理由

    <原爆開発をテーマにしたこの作品を、被爆国日は当事者として評価する権利がある> 現在、世界で最も注目されている映画監督の1人、クリストファー・ノーラン監督(『ダークナイト』『インターステラー』)の最新作『オッペンハイマー』がアメリカで公開されました。7月21~23日という、最初の週末の興行収入は8250万ドル(約117億円)と、科学者の伝記映画としては例外的なヒットとなっています。 内容は、アメリカ陸軍による原子爆弾開発計画「マンハッタン・プロジェクト」のリーダーを務めた物理学者ロバート・オッペンハイマーの半生を描くものですが、単に原爆開発のストーリーだけでなく、非常に複雑な構成が取られています。主人公の半生に加えて、後に「赤狩り」の犠牲者として追及を受けた尋問の様子、さらに彼を陥れた黒幕に対する議会の審議という3つの時間軸がモザイクのように散りばめられ、それぞれが緊張感のある対話劇にな

    クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』を日本で今すぐ公開するべき理由
  • バイデンが一般教書演説で見せた、「超党派志向」と再選への野心

    バイデンの一般教書演説への評価は高かったが、民主党にとっては頭の痛い状況に…… Jacqulyn Martin/POOL-REUTERS <超党派の融和を打ち出したバイデンの演説は成功と言えるが、これによって大統領選に向けた民主党の党内情勢はますます混迷を深めることに> バイデン米大統領は、2月7日の東部時間夜9時から、上下両院議員総会を前に一般教書演説を行いました。毎年演説が終わると様々な評価が飛び交うのですが、今回はかなり「良くできた」部類に入ると思います。CNNが直後に行った簡易世論調査では「好感が75%」という数字が出ていましたが、確かにそんな印象があります。 何が成功していたのかというと、とにかく、対立を深めるのではなく超党派の雰囲気を作る、この姿勢を徹頭徹尾一貫させたことです。例えば、トランプ時代の2020年には、議事進行を務めた当時のペロシ下院議長(民主)が、演説が終わった直

    バイデンが一般教書演説で見せた、「超党派志向」と再選への野心
  • 北欧2カ国のNATO加盟でクルド人勢力はどうなる?

    当初トルコは北欧2カ国のNATO加盟に難色を示していたが(左端がバイデンと握手するエルドアン) Yves Herman/iStock. <NAO拡大にロシアが「猛反発」しないのは、クルド人勢力の扱いがロシアにプラスになるという見方もできる> ロシアウクライナに軍事侵攻したことで、北欧の2カ国、フィンランドとスウェーデンがNATOへの加盟に動きました。この2カ国は、西側同盟の一員として振る舞っていましたが、北欧における西側とロシアという2大勢力の「はざま」において、長い間、軍事的中立(ノルディック・バランス)というポジションを選択してきました。 その2カ国が中立主義を放棄して、NATOという軍事同盟への加盟を選択したのは大きな事件です。それはともかく、今回の2カ国のNATO加盟問題には、大きな謎があります。それは、プーチンが「猛反発していない」ことです。この問題について、1つの仮説から考え

    北欧2カ国のNATO加盟でクルド人勢力はどうなる?
  • 『ドライブ・マイ・カー』に惚れ込むアメリカの映画界

    トランプ以降の分断社会とコロナ禍で疲弊しきったアメリカ人の心を包み込んだ、日文化の成熟> 濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』は、すでにカンヌ映画祭で脚賞や国際映画批評家連盟賞などを、そしてゴールデングローブ賞では非英語作品賞を、そして世界各地の映画賞で「作品賞」の栄誉に輝いています。ですから、3月に受賞が決まるオスカーでは、少なくとも外国語映画賞の候補には入ると思っていました。 ところが、先週のニューヨーク・タイムズに、カイル・ブキャナンというロサンゼルスをベースにする批評家のオスカー候補の予想が出て、そこでは濱口監督の名前が監督賞候補に挙がっていたのです。それだけでも驚きなのですが、実際に2月7日に候補作のリストが発表になると、外国語映画賞、監督賞だけでなく、作品賞、脚色賞の候補にまでなっており、合計4部門にノミネートということになりました。 濱口監督の作風、つまり丁寧に時間を

    『ドライブ・マイ・カー』に惚れ込むアメリカの映画界
  • 前代未聞の議会乱入で現実となったアメリカの「権力の空白」

    <支持者の暴挙を数時間にわたって放置したトランプには、大統領職務を停止するべきという批判まで出ている> 今週6日水曜、米大統領選挙の結果を最終的に上下両院が確認する手続きが進められていた途中で、議会議事堂にトランプ派のデモ隊が乱入し、現時点では1人が死亡するという前代未聞の不祥事が発生しました(その後の報道では計4人の死亡を確認)。全国から集まってワシントンDCのホテルなどに陣取っていたデモ隊は、前日から不穏な動きを見せていたようですが、メディアの関心はジョージア州の上院議員選決戦投票に向けられていたため、「ノーマーク」の中での事件となりました。 トランプはあくまで選挙結果を認めず、これに扇動されたデモ隊がガラス窓を叩き割って議事堂内に押し入り、議事進行を妨害したのです。これを受けて、1月20日のバイデン次期大統領の就任式が安全に実施できるかが懸念されています。就任式は行われるでしょうが、

    前代未聞の議会乱入で現実となったアメリカの「権力の空白」
  • バイデン陣営はこれで「ターボ全開」? 副大統領候補ハリス指名の意味

    <民主党は、トランプから何としても政権を奪取して米社会を元に戻したいという強い意思表示を見せた> バイデン氏の副大統領候補は、当初は7月末に発表と思われていたのが、ズルズルと先延ばしになっていました。8月1日らしいとか、いや8月第1週とか、そうではないなら10月の月曜日だ、あるいは17日スタートの民主党大会の直前まで引っ張るなど、諸説が乱れ飛んでいました。 結局、11日(火)の東部時間午後4時過ぎになって、バイデン氏自身のツイートで「副大統領候補はカマラ・ハリス氏」という発表がされました。既にバイデン氏のホームページは「バイデン・ハリス2020」というロゴに変わっています。両候補が顔を揃えての登場は、現地時間12日に行われる選挙資金キャンペーンになる模様です。 今回の人選ですが、少なくとも以下の8つの意味合いがあると思います。 1つ目は、下手をすればバイデン氏が「かすむ」ほどの存在感を持っ

    バイデン陣営はこれで「ターボ全開」? 副大統領候補ハリス指名の意味
  • アメリカのミレニアル世代はなぜ60年代に回帰するのか?

    <団塊世代のベトナム反戦運動が、勝利の記憶とともに一つのカルチャーとして世代を超えて受け継がれている> 5月25日のミネソタ州ミネアポリスにおける白人警官の黒人男性に対する暴行死事件以来、アメリカでは「BLM(Black Lives Matter)」というスローガンを掲げたデモが全国的な広がりを見せています。 なかでも米西部のワシントン州シアトルでは、市警察の東分署のある「キャピトル・ヒル」という地域を、デモ隊が占拠しています。占拠は6月8日に始まり、最初は「CHAZ(キャピトル・ヒル自治区)」と称していたのが、ここ数日「CHOP(キャピトル・ヒル・占拠デモ)」という名称も使われるようになっています。 自治区という言い方が強すぎて右派を挑発するのを避けたのか、あるいは2011年以来の「占拠デモ」の伝統を継承しようとしているのかどうかは分かりませんが、とにかく主張としては、警察組織の改革を掲

    アメリカのミレニアル世代はなぜ60年代に回帰するのか?
  • ロックダウン解除をめぐって激化する不毛の米イデオロギー対立

    <ニューヨーク州のクオモ知事らは「コロナ対策に政治対立を持ち込むな」という姿勢を貫いているが、事態はますますその方向に> 新型コロナウイルスの感染拡大に関するトランプ大統領の言動は、これまで何度も立ち位置が変わってきています。まず、2月の時点では「もしかしたらすぐに収束する」とか「コロナ問題を大げさに扱うのは民主党系のフェイクニュース」という言い方で、真剣に取り上げないという姿勢が目立っていました。 その後、アメリカにおける感染拡大が深刻になると、3月11〜13日にかけて専門家チームの助言を受け入れて、全米でのロックダウンを進めるようになりました。ですが、4月中旬になると急に「治療のために患者が死んでしまっては元も子もない」つまり「コロナ対策でロックダウンをするのはいいが、経済を殺してはダメ」というメッセージを出し始めたのです。 このメッセージに触発されて、全米で保守系のデモが拡大していき

    ロックダウン解除をめぐって激化する不毛の米イデオロギー対立
  • 米大統領選の行く末を左右するコロナ危機

    <事態が早期に収束すれば現職トランプ有利、長期化すれば野党・民主党にとって有利となるはずだが......> 今週8日、10万人と言われる支持者が視聴する中で、バーニー・サンダース候補は動画のライブ配信を通じて、2020年の大統領予備選からの撤退を表明しました。民主党の統一候補を選ぶ予備選では、事実上、ジョー・バイデン候補が圧倒的に優勢となっていましたから、衝撃というほどではありませんが、これで2020年の大統領選をめぐる動きが大きく変化したのは事実だと思います。 そもそも、3月3日のスーパーチューズデー、その翌週のミニチューズデーで、バイデン候補が圧勝した時点で、予備選の勢いはほぼ勝負が付いた感じになっていました。3月10日の時点では、15日に両者一騎打ちのテレビ討論は行うが、その後にサンダースは撤退するかもしれない、そんな噂も流れていたぐらいです。 しかしながら、その後は新型コロナウィル

    米大統領選の行く末を左右するコロナ危機
  • 安倍政権を歴代最長にした政治的要因と、その限界

    <野党勢力の方向性が分裂したこと、保守勢力を取り込んだことなどが要因だが、一方で保守派を取り込んだゆえの限界も示している> 安倍政権が11月20日、憲政史上最長の在職日数に達しました。あまり機能しなかった第一次政権を除外して、2012年末に発足した第二次政権だけでも、今年の年末には丸7年になるのですから、ずいぶん長いのは事実です。 これだけの長期政権を維持するには政治的な要因があるわけで、その要因を考えることは、現代の日政治状況を考えることになると思います。稿では3つ指摘したいと思います。 1つ目は野党の分裂です。現在の野党に関しては、表面的には統治能力に欠けるというイメージが蔓延していることがありますが、それはあくまでも印象論であって、それ以上に分裂しているという要素が大きいと思います。 野党の分裂というのは、例えば大所帯であった新進党が瓦解した90年代、同じく二大政党制を自認した

    安倍政権を歴代最長にした政治的要因と、その限界
  • 完璧としか言いようがない、イチロー選手の引退劇

    全米中継でイチロー選手は「オールタイム・ベスト(史上最高の選手)」と称賛された Darren Yamashita-USA TODAY Sports/REUTERS <「史上最高の野球選手」の引退を地元日での公式戦勝利で飾らなければならない――マリナーズの選手たちもそのプレッシャーを感じていた> 今回の東京ドームにおける、「アスレチックス対マリナーズ」のMLB開幕戦は、米国東部時間では2試合とも午前5時半試合開始という時間帯でしたが、メジャーなスポーツ専門局「ESPN」が全米中継をしていました。 中継では、まだイチロー選手の引退が発表される前の第1戦の段階から、アナウンサーのコメントの半分はイチロー選手についてで、第1戦の途中でベンチに下がって以降も、試合の流れを紹介しながら、ずっとカメラはイチロー選手の表情を追っていました。 そのコメントは、歴史に残る名選手であるというような生易しいもの

    完璧としか言いようがない、イチロー選手の引退劇
  • アメリカで沸き起こった「オプラ2020」待望論を考える

    ゴールデングローブ賞受賞式でのオプラの品格あるスピーチに多くの人が酔いしれた Paul Drinkwater/NBC/REUTERS <ゴールデングローブ賞受賞式でのスピーチをきっかけに、一気に盛り上がったテレビ司会者オプラ・ウィンフリーの大統領選立候補への待望論。その背景にあるのは......> 今週8日、アメリカではSNSを通じて「オプラ2020」というスローガンが爆発的に拡散されました。テレビ司会者で女優のオプラ・ウィンフリーに、2020年の大統領選に立候補して、現職のトランプ大統領に挑戦してもらいたいという待望論です。 きっかけになったのは、前夜7日に行われた「ゴールデングローブ賞授賞式」でした。式の中で、オプラは生涯にわたる功績を認められて「セシル・B・デミル賞」を受賞したのですが、その際のスピーチが立派であったために、その場にいた芸能人を中心に「オプラのカリスマ性」が「大統領選

    アメリカで沸き起こった「オプラ2020」待望論を考える
  • 「オータニフィーバー」過熱で注目される、米メジャーリーグの二刀流

    <日では大谷翔平選手の「二刀流」がメジャーリーグで実現するか半信半疑のようだが、アメリカでは現地の新人選手も合わせて二刀流への注目がにわかに高まっている> ポスティング方式でメジャーリーグへの移籍を目指している大谷翔平選手については、交渉権をどのチームが獲得するか、決定が秒読みとなってきました。アメリカでは、この「オータニ現象」が過熱しています。まだ23歳の大谷選手が、この冬の「ストーブリーグ(契約更改・移籍のシーズン)の目玉」になっているのです。 その大谷選手について、一時はアメリカのスカウト達からは「あくまで投手として見ている」という声が多かったのですが、ここへ来て流れが変わって来ました。日で実際に試みていた「二刀流」についての紹介記事が増えるとともに、メジャーでも「二刀流選手」という見方で大谷選手への期待が高まっているのです。 日では、大谷選手に「二刀流を許すVIP待遇」をメジ

    「オータニフィーバー」過熱で注目される、米メジャーリーグの二刀流
  • アメリカの部活動は、なぜ「ブラック化」しないのか

    <日と同じように部活動が過剰になる要素もあるアメリカだが、試合や発表の機会に重点が置かれていることなどで「ブラック化」は避けられている> 日の中学や高校における部活動は、ともすれば練習時間が長時間に及んだり、勝利至上主義に陥ったりする問題点を抱えています。アメリカでも事情は同じです。例えば、スポーツの場合は大学の体育会からスカウトされる可能性があり、その場合は奨学金がつきますし、大学での活躍はプロ入りに直結することになります。 一方で、オーケストラやマーチングバンド、演劇、ミュージカルといった部門では、州大会や全国大会があり、活躍すれば、パフォーマンス・スクールや音楽学部への進学に有利になります。進学ということでは、名門大学をはじめとする多くの大学において部活の活動履歴は重要な要素です。さらに、フットボールやバスケットボールなどの花形種目の場合、試合で勝っていくことには全校の期待、いや

    アメリカの部活動は、なぜ「ブラック化」しないのか
  • 中東諸国のカタール断交のウラには何がある?

    <中東6カ国のカタール断交の背景として様々な要因が指摘されているが、イランやISISへの敵対姿勢をはっきり示さないカタールへの警戒感が強まった可能性も> サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンの4カ国(これにイエメンの暫定政権とモルディブを加えた計6カ国)は、協調する形で今週カタールとの国交断絶を発表しました。カタールと言えば、サウジ、UAE、バーレーンと共に「湾岸協力会議(GCC)」を形成しており、西側にはフレンドリーなことで一貫しています。スンニ派の首長国という政体も、サウジやUAE、バーレーンと一緒です。 このカタールの首長は19世紀以来、サーニー家の当主が務めてきており、1971年に英国から正式に独立して以降も同様です。ちなみに、現在の首長タミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー(タミム首長という言われ方が一般的)は、37歳という若手リーダーです。 そのカ

    中東諸国のカタール断交のウラには何がある?
    AKIYOSHI
    AKIYOSHI 2017/06/07
    “「カタール国内の反体制派」を懐柔するために、イスラム圏の幅広い「反体制グループ」に薄く広く援助をしているという噂があります”
  • トランプ外交の方針転換は「正常化」の兆しなのか

    <シリア・アサド政権の化学兵器使用疑惑をめぐって、トランプ政権が外交方針を180度転換。しかしこれまで異例だった外交方針が「正常化」に向かう兆候と考えれば、納得はいく> 今週4日から5日にかけて、「シリア内戦でアサド政府軍が化学兵器を使用か」というニュースが世界を駆け巡りました。5日朝には、例えば三大ネットワークの一つであるNBCテレビでは、中東特派員として長年シリア内戦を取材してきたリチャード・エンゲル記者が、「サリン攻撃の被害者とみられる人々を治療する様子」の動画を紹介しながら、事態の深刻さを解説していました。 これに関してトランプ大統領は、「オバマの弱腰な姿勢がこうした事態を招いた」という意味不明なツイートをしていました。意味不明というのは、つい先週、トランプ政権は「アサド政権のシリアには政権交代を求めない」という「新方針」を発表したばかりだったからです。 一方で、今週3日にロシア

    トランプ外交の方針転換は「正常化」の兆しなのか
  • 靖国参拝で崩れた、真珠湾追悼の「和解」バランス

    <安倍首相とオバマ大統領の真珠湾追悼は、広島と対になる相互性もあり、外交的に評価できる。ところが、直後に防衛相が靖国神社を参拝したことで、日米が打ち出した「和解」のバランスは崩れてしまった>(写真:真珠湾の日米共同追悼は成功だったと言えるが) 安倍首相とオバマ大統領の真珠湾献花については、「スター・ウォーズ」のヒロイン、レイア姫を演じたキャリー・フィッシャーの急逝というニュースと「扱いを争う」という妙な事態となりました。 そうではあるのですが、例えばCNNでは録画ながら両首脳のアリゾナ・メモリアルでの黙祷シーンはカットせずに放映されています。オバマより安倍首相が深く頭を垂れ、しかもアメリカの常識では極めて長い黙祷をして、大統領に促されて頭を上げるという映像はバッチリ流れていました。 その後のスピーチについても、原文では「その御霊よ、安らかなれ・・・」と祈るように語った部分が、'Rest i

    靖国参拝で崩れた、真珠湾追悼の「和解」バランス
    AKIYOSHI
    AKIYOSHI 2016/12/31
    なるほど。歴史修正主義者たちにグゥの音を言わせない論法だ。