マルクス新解釈、若き思想家 インタビューに答える「人新世の『資本論』」著者の斎藤幸平さん=大阪市住吉区 経済書「人新世の『資本論』」が、異例の売れ行きを見せている。出版から半年余りで25万部を突破し、新書大賞(中央公論新社主催)も受賞した。執筆したのは34歳のマルクス研究者、斎藤幸平・大阪市立大准教授。「気候危機や格差社会の根本原因は、資本主義にある」と指摘し、「コモン(共有財)を再生して資本主義に緊急ブレーキをかけ、脱成長を実現する必要がある」と説く。気鋭の経済思想家を取材した。(時事通信大阪支社 山中貴裕) ―本では経済成長が至上命題の資本主義と、二酸化炭素の排出ゼロを目指す脱炭素化は相いれないと指摘しています。 資本主義は人間や自然を徹底的に利用して、利潤を追求します。たとえ回復不可能なほど環境が破壊されても、資本主義は自らブレーキを踏むことはありません。その結果、人類の生存基盤であ