イランの核開発能力低下を目的として、アメリカとイスラエルが共同で開発したと言われるマルウェア「スタクスネット(Stuxnet)」。イランの核関連施設に設置されていた、ウラン濃縮用の遠心分離機を標的にしたとされ、実際に数千台の遠心分離機の「物理的な」破壊に成功したのではないかと目されています。数年前に発見され、日本でも話題になりましたが、その全容を追ったノンフィクション"Countdown to Zero Day: Stuxnet and the Launch of the World's First Digital Weapon"が最近発売され、こちらも話題になっています。 とにかく面白い一冊でした。紙版で400ページ以上というボリュームなのですが、それだけにスタクスネットはもちろんのこと、その周辺に関する話も丁寧に扱われており、思わず引き込まれてしまいます。セキュリティやサイバー攻撃に興