1月17日に緊急出版される広野博嗣『奔流 コロナ「専門家」は、なぜ消されたのか』(講談社)が発売前から話題になっている。当事者である西浦博氏自身が、自身のXで「自分で言ったこととはいえ、この国に関するエピローグの締めくくりを読んでつらい気持ちになってしまいました」と語っている。 政権と世論に翻弄されながら危機と闘ったコロナ感染症「専門家」たちの悲劇とは何だったか? 弩級ノンフィクションの一部を紹介しよう。 海外では惜しみない拍手が 2023年9月5日、私は京都駅の上にあるホテルの喫茶店で、京都大学大学院教授の西浦博に会った。尾身茂が新型コロナウイルス感染症対策分科会の会長として最後に岸田文雄に面会してからちょうど1週間後のことだ。官邸からの去り際の朗らかな尾身の表情をどう見ていたのか。それを質問したかった。西浦は、こう答えた。 「あんまりだという思いはあります。キックアウトですよね」 なぜ
はじめに 千葉大学/Nospareの米倉です.今回は感染症の数理モデルで良く使われる,SIRモデルの解説とそのベイズ推定について紹介します. SIRモデルとは 西浦(2021)に基づきSIRモデルを解説します.ここでは個人の異質性は考慮せず,全員等しく感染しやすく,回復しやすいことを暗に仮定します. SIRモデルとはコンパートメントモデルと呼ばれるモデルの一種で,感染症が流行している母集団(人口)をいくつかのコンパートメント(区間)に分類して分析をするモデルです. 具体的にはSIRモデルは母集団を Susceptible(感受性人口)→未感染かつ免疫を獲得していない人口. Infected(感染性人口)→感染症に感染した人口. Recovered(回復者人口)→免疫を獲得した人口or隔離された人口. の3つの状態に分割します.この上で以下のような仮定を置きます. 感染したらすぐにSからIに
インフルエンザウイルスや風邪ウイルス、がん細胞等と戦ってくれるナチュラルキラー(NK)細胞を活性化させる「1073R-1乳酸菌」(以下、R-1乳酸菌)。その働きを示す調査結果が9日、東京・赤坂のホテルニューオータニにて発表された。R-1乳酸菌を長期間摂取した佐賀県有田町に住む小中学生のインフルエンザ感染傾向などが紹介された。 同調査は、佐賀県有田町、山形県舟形町にて実施。健康増進活動の一環として、2010年(有田町は9月、舟形町は6月)から今年3月18日までの間、保育園・幼稚園児、小中学生全員と関係職員全員にR-1乳酸菌を使用したヨーグルトを給食などで継続的に食べてもらい、インフルエンザや風邪の罹患率や欠席率の変動についての継続調査を行った。 昨年12月末までの中間報告によると、佐賀県はインフルエンザの感染レベルが高い地域にも関わらず、有田町は周辺地域、佐賀県(有田町を除く)と比べてインフ
ワクチンをめぐるわが国の状況 新型コロナウイルス感染症(以下、コロナという)のワクチンについて、訪米した菅首相はファイザー製薬CEOと電話会談し、9月中には国民全員に行き渡る分のワクチンを確保できたと述べました。GW明けからは、接種が本格化するとも伝えられています。国民の2%にすらワクチンが届いていない現状の打開につながると期待したいと思います。 しかし、期待がもてることばかりではありません。というのも、わが国は世界でも「ワクチン忌避感情」が大きな国の1つだからです。世界149か国を対象にした調査によると、日本はワクチンの安全性への信頼感が最下位という結果になっています。 ワクチンの供給とスムーズな接種という物理的なロジスティックスに加え、国民のワクチン忌避感情やワクチンへの不安に対処するため、心理的なロジスティックスが求められるのです(「反ワクチン報道」にどう対処すべきか・・・丁寧な発信
ワクチンに関するデマ 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が、急速なスピードで進んでいる。国や自治体による接種に加え、会社や大学などでの職域接種もスタートした。医療従事者や高齢者に次いで、若年層への接種が広がっていくなかで、ワクチンへのデマも広がりを見せている。 特に、SNSやYouTubeなど、若い世代がアクセスするメディアを使ってデマが広がっているのが特徴である。デマのなかには、「ワクチンを打った人の体に金属が貼り付いた」「5Gに接続できるようになった」などという取るに足らないようなものもあれば、「接種すると遺伝子が書き換えられる」「不妊になる」など、いたずらに不安を煽るようなものも見らる。 このような不安を煽るデマが、医療関係者や著名人、政治家などから発せられていることも少なくなく、それは影響力という点から大きな問題である。 ワクチンが不妊をもたらす可能性が極めて低いことは、多くの
矛盾する2つの意見 新型コロナウイルス感染症に対しては、専門家からさまざまな情報がもたらされ、その情報の洪水のなかで「何を信じてよいのか」と溺れそうになっている人が多い。特に、別々の専門家から矛盾する情報が発せられたとき、あなたはどちらを選ぶだろうか。 下の2つの例を見ていただきたい。 医師A 私はコロナ患者をこれまで500人以上も診ています。毎日24時間体制でコロナ患者に対応しており、疲弊しきっていますが、それでもそれが私の使命だと思って全力を尽くしています。そのため、これまで1人の死亡者も出したことがなく、誰よりも適切に治療に当たっているという自信があります。その私が断言します。○○をすれば、すべて解決します。 医師B 私は医師ですが、研究部門におりますので、直接コロナ患者を診ていません。しかし、現場の医師とたえず情報交換を行っています。毎日コロナに関する世界中の論文を読んでおり、も
科学で未来を創造する 私たちはMA-T®で 地球規模の課題解決に取り組みます MA-T®とは 》 ※ MA-Tは一般社団法人日本MA-T工業会の登録商標です。
昨日1月31日付で東洋経済新報社を退職し、本日2月1日からスマートニュース株式会社で仕事をします。新しい所属はスマートニュース メディア研究所とスローニュース株式会社です。 学部を卒業してから10年以上仕事をしてきて、今回が初めての転職になります。この記事では東洋経済への入社から転職までを振り返ります。 自己紹介まず自己紹介です。データ可視化(Data visualization)とデータ報道(Data journalism)が大好きな33歳です。 最近の制作物の中で一番有名なのは東洋経済オンライン「新型コロナウイルス 国内感染の状況」だと思います。新型コロナに関する報道コンテンツの中で最もシェアされ、2020年度のグッドデザイン賞とSmartNews ベストパートナー賞を受賞しました。 コンセプトの決定やデータの選定、デザイン、実装、解説記事の執筆、日々のデータ更新など、ほぼ1人でやって
「なぜ東洋経済オンラインではデータ可視化コンテンツのソースコードをGitHubで公開するのか?」という質問を最近よく受けます。 ざっくり説明すると、GitHubとはウェブサイトやソフトウェアなどのプログラム(=ソースコード)を公開できるウェブサービスのことです。修正履歴の公開や、他のユーザーからの改修提案なども受け付けることができます。社会で広く使ってほしい、公共性のあるプロジェクトに使われることが多いと思います。 東洋経済オンラインでは、COVID-19のダッシュボード「新型コロナウイルス 国内感染の状況」のデータやソースコードをGitHubで公開しています。データもコードも「許諾不要で自由に使っていい、ただし出典表記は必要」としています。それ以前に作ったプロジェクトも、私(荻原)が作ったものであればほぼすべて公開しています。 他に新型コロナ関連では、東京都の新型コロナウイルス対策サイト
エイズのワクチンの開発に取り組んでいる国の研究所は、開発中のワクチンをサルに接種した結果、エイズを引き起こすウイルスの排除に成功したと発表しました。研究所は、エイズの完治につながる発見だとしています。 エイズは免疫力が低下してさまざまな合併症を引き起こす病気で、エイズを発症させるHIVに感染したと国内で報告された人は、これまでに2万人を超えています。 国の研究機関、医薬基盤・健康・栄養研究所は、開発中のワクチンをカニクイザルというサルに接種したうえで、人工的に作ったHIVの一種を体内に入れて経過を確認しました。 その結果、7匹のうち4匹がいったんは感染したものの、その後、ウイルスが検出されない状態になったということです。 研究所は、ワクチンによって免疫の働きが増加したことで、ウイルスがサルの体内から排除されたと見ていて、5年後をめどにヒトへの臨床試験を開始したいとしています。 医薬基盤・健
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く