成人向け漫画、いわゆる「エロ漫画」に登場する表現方法をまとめた「エロマンガ表現史」(太田出版)が波紋を呼んでいる。「おっぱいの表現の変遷」など、エロ漫画の描かれ方の移り変わりやルーツについて研究した本だ。あくまで一般書籍として発行されていたが、3月に北海道で有害図書指定を受けた。 同じタイミングで、エロ本の自販機についてまとめた「全国版あの日のエロ本自販機探訪記」(双葉社)が滋賀県で有害図書指定を受けたこともさらに議論を呼んだ。10月には日本マンガ学会とエロマンガ表現史の出版元である太田出版がそれぞれ抗議声明を発表した。 本書はエロ漫画独特の表現を説明するため性的なシーンの画像を多く引用・掲載している。ただ、「エロ」のコンテンツそのものでない純粋な研究書が青少年にとって「有害」だと行政から指定されることは異例だ。本書はなぜ有害図書とされたのか、「不健全」とは一体何なのか、著者でライター、美