6月末の追手門(おうてもん)学院大学(大阪府茨木市)。ちゃぶ台を模した丸い形の段ボールが何枚も机上に置かれ、約70人の学生が4、5人ずつのグループに分かれて囲んでいる。教壇には、福島一政副学長ら6人の教員が並ぶ。 同大が昨春始めた授業「学び論 自校教育※」の教室だ。学生たちに、自分の通う大学の現状や歴史について教えている。この日は、教員たちが「なぜ自分はここで教員をしているのか」をテーマに話した。そうした話を通して、学生に大学で学ぶ意味を改めて考えさせ、学習への意欲を持たせるのが狙いだ。 福島副学長はかつて、別の私立大の職員として、消耗品から校舎の新改築費用までそらんじ、経営陣を説得しては学びの環境整備に尽くしてきたが、主体的に道を築く人材の養成を掲げる追手門学院大の考えに共鳴したと説明。「ここなら、教職員が共に学生を育てる大学を実現できると思い、移ってきた」と、力を込めた。 学生たちは気