教育における子どもの情報行動は,「読書」「学習」「情報」の3つの側面からとらえることができる。このうち,本稿では,読書を学校教育の側面から捉えた論考などを中心に整理した。 4.3.1. 学校教育における読書の位置づけ 読書に関わる研究は,理論,実験,調査の3種類に大別することができる。また,そのアプローチの側面も教育,心理,言語学,社会学など多様である。本稿では教育の側面からのアプローチを中心に,子どもの読書に限定して整理する。 学校教育の側面から見た場合,「読書」そのものを対象におこなわれている研究は,学校図書館をフィールドとして扱われたものや認知心理学的アプローチのものが大半である。学校教育のカリキュラムに深く関連するものは,主に国語科教育との関連が深い。この関連の深さは,教育関係の逐次刊行物における特集の組み方を見るとよくわかる。読書に関する特集のほとんどには国語科教育1が,国語や読