福岡市から北に約100㎞の玄界灘に浮かぶ国境の島・対馬。古くから漁業などが盛んだが、2018年は41万2782人の外国人が訪れるなど観光の島でもある。外国人観光客の99%以上は福岡市よりも近い約50km北の韓国から訪れる。対馬市のまとめでは、韓国人観光客は2010年に6万人ほどだったが40万9882人にまで急増した。 それとともに旅行客向けの商店も増加。天瀬さんの店も、もともとは電器店として使用していたが、旅行者の増加を目の当たりにして、3年ほど前に旅行客相手の商売を始めたばかりだという。ホテルなどの宿泊施設も増えており、人口約3万人の島に小規模の民宿などを合わせると100軒を超える宿泊施設がある。日本の他の地域と同様に過疎化が進む中、地価上昇の動きさえもあった。 だが、この夏、日韓関係の悪化で状況は一変している。比田勝港では韓国と結ぶ旅客船の減便が相次ぎ、市南部の厳原港を発着する韓国便は