今年のノーベル経済学賞は、米シカゴ大のリチャード・セイラー教授が受賞した。 セイラー氏は心理学出身で、「行動経済学」の業績で受賞した。行動経済学とは、心理学を取り入れて「人はみな自己利益のために完全に合理的に意思決定する」という合理的経済人の仮定を問題として、その仮定を現実的な仮定に置き換えて分析する学問だ。2002年の米プリンストン大のダニエル・カーネマン教授も行動経済学で受賞している。 行動経済学の話は一般受けするが、この話をすると、広告業界の人はみんな知っていることだとし、「それなら自分もノーベル賞を取れる」という話で盛り上がる。 かつてある証券会社のCMでも放送されていたが、「決定回避の法則」と「現状維持の法則」があるという。 前者は「人は選択肢が多くなると逆に行動を起こせなくなる」というものであり、後者は「人は選択肢が広がり過ぎると、かえって普段と同じものを選んでしまう」というも