住居を壊され瓦礫の中を歩く出稼ぎ労働者、背後には北京市民が住む高層マンションが(12月13日) Thomas Peter-REUTERS <北京のアパート火災の後、市政府は違法建築の取り壊しにかかった。この機に乗じて出稼ぎ労働者などの「下流人口」を追い出す狙いか> 2017年11月18日、北京市郊外の西紅門鎮という出稼ぎ労働者たちが多く住む地域で火災が起き、19人が死亡した。火災が起きた翌日、北京市政府は市内の違法建築を徹底的に取り締まると宣言し、市内各地で出稼ぎ労働者たちが住む住宅の取り壊しにかかった。 ところが、一口に「出稼ぎ労働者」と言っても、北京市の場合、2173万人の人口(2016年末時点)のうち、808万人もの人々が北京市の戸籍を持っていない「外来人口」、すなわち出稼ぎ労働者なのである。北京市のような大都市は住宅価格の高騰を抑えるために外来人口による住宅購入を制限しているため、
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